政 策 >>> 財政委員会・2005/10/27
◆ 購入に関して:工事発注や物品購入時の随意契約の見直しと情報公開
◆ 売却に関して:東京都保有地の減額譲渡


2005年10月27日 午後3時35分開議

○山加委員長
 休憩前に引き続き委員会を開きます。発言を願います。

○佐藤委員
 民主党の佐藤広典です。今回、初質問ですが、諸先輩方が築いてこられた東京都を、さらによくするために頑張って参ります。皆様、ご指導よろしくお願い致します。さて、私は、入札制度と資産売却について、お伺いしたいと思います。まず、私の問題意識を述べておきます。

 東京都の最大の課題は、やはり、財政の再建であり、財政再建を急がなければ、今後、少子高齢化の進展とともに、高齢者の方々は増え、社会保障費が増加してまいります。
 その一方で、労働人口は減少し、結果として、一人当たりの勤労者負担は増加するわけです。現在、第2次財政再建推進プランを実施している最中ではありますが、少子高齢化の進展は予想以上に早く、すでに、5人に1人が、65歳以上の高齢者になっております。
 手をこまねいていると、東京都の財政は、さらに厳しい状況となり、資金調達能力、政策執行能力が制限されることとなります。

 東京都は、日本で最も大きい地方自治体であり、なんとしても財政再建を果たさなければ、なりません。財政再建するためには、歳出削減と歳入確保が、不可欠であるといえます。特に、歳出の無駄を削減することが必要です。まず、歳出の削減ついて、公共投資のコスト削減について述べたいと思います。

 平成15年3月に、国土交通省は、「公共事業コスト構造改革プログラム」を策定し、コストの観点から、公共事業の全てのプロセスを見直す「コスト構造改革」の取り組みを開始しました。平成15年度における総合コスト縮減率は、国土交通省・関係公団で 6.1%となりました。平成 15年度から 5年間で、平成 14年度と比較して 15%の総合コスト縮減を達成することを目標としております。

 一方、東京都におきましては、建設・維持管理について、東京都のコスト縮減の取組みとして、「東京都公共施設等のコスト縮減に関する行動計画」が策定されております。
 この計画では、平成16年度から3年間で、建設と維持管理の総合コストを、平成15年度と比較して10%縮減することを目標としています。先日発表された資料を見ますと、平成16年度は6.5%のコスト縮減を達成したとのことですが、スタートとしての年度としてはまずまずだとの印象がありますし、目標達成に向けて、更に努力して欲しいと思います。

 また、財政再建を達成するためには、民間の持つ競争性を高め、公共投資のコスト効率を高めていく必要があるといえます。公共投資のコスト効率化の一つの目標が、入札の効率化だと考えております。適切な競争が行われる入札制度をつくるために、現在の入札制度を変える必要があると考えております。

 そして、本日の質問では、入札制度の中でも、特命随意契約について伺います。

 特命随意契約は、相手を特定して行う契約であり、競争原理が働きにくいことから、地方自治法上例外的な契約方法とされています。しかし、東京都監査委員が平成 17年 2月 23日に発表した「平成 16年行政監査報告書」によると、平成 15年度に、東京都が締結した特命随意契約は 7,438件あり、その契約総額は、約 2,630億円にものぼっております。
同報告書によると、平成 15年度本庁で締結された契約総数 36,979件の 20.1%(約 2割)にあたるわけです。この「平成 16年行政監査報告書」では、次のような2点の記載があります。

1:特命随意契約とした理由は、契約相手の「過去の実績」や「専門性」といった理由が 80%を占めていた。
2:特命随意契約の継続状況は、前年度から継続しているものが全体の 38.2%、その継続年数を見ると、工事・委託および、購入等では、 5年を超えるものが 53.5%にものぼっていた。
 そこで伺いますが、このように、東京都の契約全体の約 2割を占めていた特命随意契約の現状と、監査結果で指摘されていたような、「業者からの見積り額を十分精査しないまま契約の予定価格を積算している事例」や「現在は競争入札が可能であるのに、長年にわたり特命随意契約を継続している事例」などに対して、東京都の契約を統括する財務局として、どのように対処していくのか?所見を伺いたい。

○山本契約調整担当部長
 特命随意契約は、ご指摘のように、例外的な契約手法であり、厳格に運用する必要があると考えております。

 このため、財務局では、平成 16年行政監査報告書を踏まえ、本年度当初、平成 16年度の特命随意契約全般の事務処理手続きについて自己点検を行うよう全庁に要請し、不適切な契約について改善を図ることといたしました。この自己点検によりまして、競争方式への切りかえなどが行われております。

 本年の第 3回定例会に報告されました平成 17年各会計定例監査においては、特命随意契約の指摘事項はなくなり、いずれも平成 17年契約で改善されていたり、現在改善に向けた取り組みがなされていることが認められたと講評いただいております。気を緩めることなく、引き続き特命随意契約の適正化を図ってまいります。

○佐藤委員
 「平成 17年度各会計定例監査」における講評は、前年度の行政監査を契機に、財務局が指導し、各局が特命随意契約を適切に行うようになった結果、と取れますが、財務局は、「東京都契約事務の委任等に関する規則」第 3条で、契約に関する事務を各局に委任しています。

 財務局が処理した契約について、伺いたいと思います。これは、各局に委任した額を超えて、財務局が各局から請求を受けて処理した契約です。まず、平成 16年度の件数と金額を伺い、そのうちの特命随意契約の件数を伺いたいと思います。

○山本契約調整担当部長
 平成 16年度における財務契約は、工事関係が 986件、物品関係が 1185件、計 2171件で、金額は 2374億円でございます。そのうち、特命随意契約の件数は、工事関係で 114件、物品関係は 197件となっております。

○佐藤委員
 財務局の総数案件 2171件に対し、特命随意契約の割合は、率にすると、どのくらいになりますか?

○山本契約調整担当部長
 工事関係の契約における特命随意契約の率は 11.6%、同じく物品関係の契約における率は 16.6%となります。

○佐藤委員
 財務局契約においては、特命随意契約が 1割台だということがわかりましたが、先程お話したように、「平成16年行政監査報告書」では、平成15年度に本庁で締結された総契約件数のうち、 2割が特命随意契約であるという結果が記されています。契約締結委任限度額は、平成 17年 4月 1日から大幅に引き上げられ、例えば、建築工事であれば 2億円未満の契約。物品の買い入れであれば、 3000万円未満の契約が、各局の契約案件となっています。

 各局の契約締結委任限度額が引き上げられたわけですが、そのことが随意契約の増加につながらないよう、財務局が、全庁の契約を統括する部署として、どうチェックをしていくのか、所見を伺いたい。

○山本契約調整担当部長
 各局への契約締結委任限度額の引き上げは、各局の契約事務処理能力が電子調達システムにより向上することを踏まえ、入札契約事務の一層の効率化を図るため、本年度実施したものでございます。

 不適切な特命随意契約への対策としては、先ほどお答えした通り、本年度当初から全庁において自己点検を実施し、改善が行われております。このため、委任限度額の引き上げが直ちに不適切な随意契約の増加につながるとは考えておりませんけれども、入札契約制度を統括する財務局としては、今後とも、各局に特命随意契約の締結状況の報告を求めるとともに、特命随意契約の締結時には、その必要性を十分検証するよう指導していきたいと考えております。

○佐藤委員
 「平成 16年行政監査報告書」にもあるように、監査の結果、指摘事項は 19件、意見・要望事項は 5件であり、不経済支出等の金額は、約 1億 1千万円と見込まれました。監査報告書には、次のような3点が記載されております。

1:予算価格の設定に当たっては、提出された見積書を十分精査するとともに必要に応じて、積算基準を定めるなど適切な積算に努める必要がある事。
2:審査部門の機能も十分発揮される体制を準備しておく必要がある。
3:契約を継続する場合は、契約開始時に比べ、事務処理がおざなりになりがちなため、特に意識的、組織的なチェックが求められる事。
これらの点について、取り組みの強化を要望致します。
 国も、特命随意契約に対しての取り組みを行っております。平成 17年 6月 30日に改定された、行政効率化推進計画、並びに、国土交通省行政効率化推進計画では、特命随意契約についての入札経過調書の情報公開を行う事を明記し、すでに国土交通省では、小額随意契約以外のものについて、契約の相手方、契約金額、随意契約理由をHP上において、公表しております。

 一方、東京都では、入札情報については、公共工事入札契約適正化法及び施工例に基づき、工事の特命随意契約に関しては、契約金額 250万円を超える案件について、相手・金額・名称などをHP上で公開しております。しかしながら、現在、随意契約の理由は、HP上で公開しておらず、都庁の入札担当の窓口において、紙の資料が閲覧できるという状況にとどまっております。これについて、国土交通省の随意契約と同じように、HP上で公開している資料に、随意契約の理由も添付するべきだと提案致します。

 また、物品の特命随意契約の公開状況ですが、財務局においては公開していないのが原状であり、他では、自主的に情報公開している局もあるという事です。しかしながら、過去 15ヶ月の案件検索ができる東京都の「入札情報サービス」の「案件検索」を使い、物品の随意契約形態について、「複数単価」「総価」「単価」などについて、一項目ずつ検索した所、案件として出てきたものはありませんでした。物品の特命随意契約についても、情報公開の義務付けを行い、随意契約の理由を含め、 HP上で公表するべきだと考えています。

 情報公開対象の拡大は、コンピューター・システム運営の予算を増やすことにもなりかねませんが、より開かれた入札制度を作り、多くのチェックを受けることで、調達コスト削減につながると考えております。

 そこで、伺いますが、現在公表されていない物品の特命随意契約についてもHP上での情報公開を義務付けるとともに、工事の特命随意契約に関しても、その契約理由をHP上に記載するべきだと考えておりますが、所見を伺いたいと思います。

○山本契約調整担当部長
 都における特命随意契約の情報公開につきましては、情報開示請求に基づく情報提供のほか、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づき、 250万円を超える工事につきましては、見積もり経過調書を窓口に備え付けております。この窓口での情報公開においては、特命理由も掲載しております。

 ただし、お話にもございましたが、物品の特命随意契約につきましては、法令による特段の定めが無い事もありまして、これまで窓口での情報公開を行っておりません。ご提案につきましては、その必要性などについて研究したいと考えます。

○佐藤委員
 入札経過調書の情報公開に関連して、提案しておきますが、現在の経過調書には、物品の型番や数量は記載されていないのが現実です。また、すべての物品名が記載されず、「1点だけ物品名を書き、その他何点」という記載も多い。同時に、仕様書のデータとリンクされていないため、入札案件の内容がわかりません。仕様書を検索しても、一定期間が過ぎた後は、データが消えてしまいます。入札案件の公開情報を増やし、仕様書のデータを残す事と、仕様書のデータと経過調書をリンクさせて、入札案件の情報公開を行うよう提案しておきます。

 次に、資産売却について伺いたいと思います。現在、東京都は、平成17年度予算においては、起債(有利子負債)利子も 1500億円ちかく支払っております。有利子負債の圧縮をすることが不可欠であり、冒頭に申し上げたように、財政の再建を行う上で、東京都の資産売却を積極的に進め、歳入を確保していくことが必要です。遊休地は、社会的な損失であり、有効活用をすすめるためにも、売却に取り組む必要があると思います。また、少子高齢化の進展とともに、人口構造とともに人口分布も変化し、生活スタイルも大きく変わります。人口構成や人口分布の変化に伴ったフレキシブルな行政サービスを展開する必要があります。既存の建物や土地を前提として、行政サービスを考えるのではなく、政策目的を達成するための機動的な行政サービス展開が必要となってきます。建物や土地は、政策実施の手段であることを改めて確認する必要があるといえるでしょう。

 また、先程、申し上げましたように、人口減少に伴い、労働人口は減り、高齢者は増える事は、避けることができません。結果として、直接税は減り、また、市場規模も縮小します。税収減と社会福祉予算の増加により、現在の予算規模、行政サービスを維持することは難しくなるわけです。それに伴い、行政サービスの拠点である土地・建物などの統廃合、つまり、資産の売却が不可欠であると考えています。土地などの資産においても、必要な資産かどうか、現在の活用方法でよいのか、検証を行う必要があります。民間と競合し、東京都自身が行う必要がない土地建物活用事業もあるが、整理していくべきではないでしょうか。

 本来であれば、政策目標があって、その実施手法が問われるわけです。政策目標を達成するために、土地・建物を使って、政策を実施しているわけですが、施設の統廃合などで、土地建物が余ってしまうと、無理にでも他の用途に使おうとする事例が非常に多いわけです。これが、行政の無駄となってしまいます。

 東京都は、資産の利活用の一環として、土地建物などの売却による歳入確保を進めているようですが、平成 12年〜平成 16年の間の売却状況は、建物が 14億 800万円、土地が 1589億 6800万円になっている。東京都の普通財産は、平成 15年度末には 1兆 1972億円あり、まだまだ売却が可能な資産があるはずです。遊休地は、将来の政策実施手段とも言えますが、長年、遊休地のまま残されているものもあり、社会的な損失以外のなにものでもないといえます。東京都の普通財産は、その規模が莫大なため、土地などの資産においても、必要な資産かどうか、現在の活用方法でよいのか、検証を行い、さらに売却する必要があると考えております。

 売却を進めるにあたり、財務局の役割は大きいと考えておりますが、今後、どういった考えで、進めていくのか。所見を伺いたい。

○泉本財産運用部長
 これまでは、財産再建の観点から、売り払い、売却に力を注ぐことで一定の成果を出してきたところでございます。今後も、売り払いを積極的に進めるとともに、貸し付けなど多様な活用も合わせて図っていく所存でございます。

○佐藤委員
 平成 17年度財務局事務事業概要において、「平成 16年度、一般競争入札等による都有地の売り払い結果」によれば、一般競争入札の結果は、入札総数が 26件、面積が 2万9012.84u、金額は75億6249万5445円でした。一方、随意契約は、入札件数が 44件、面積は10万5054.61u、金額は67億107万9641円でした。
 一般競争入札と随意契約の1平方メートルあたりの単価を比較すると、一般競争入札の入札実績の場合、1平方メートルあたり 26万 660円です。しかしながら、随意契約の場合、1平方メートルあたり 6万 3787円です。なぜ、このような格差が出てきたのか、伺いたい。

○泉本財産運用部長
 土地は、所在地や形状によりまして、単価が大きく異なるものでございますけれども、平成 16年度におきましては、単価の大変に低い地方の広大な土地を随意契約により売却したため、このような結果になったものでございます。

○佐藤委員
 現在では、東京都において余剰となった土地・建物の売却手順は、まず、第一に、東京都の他局に需要があるかどうか聞き、第二に、地方自治体に需要があるかどうか打診し、それで需要がなければ、民間に売却しているのが、都で行われて入る手順です。

 地方自治体に対して、用途を限定して売却しておりますが、契約形態としては、随意契約の形態を取り、査定価格よりも割引して、地方自治体に売却しています。

 この減額譲渡について、伺いたいと思います。
 地方自治体への売却は、東京都における「財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例」の第 3条において、規定されています。しかしながら、歳入確保を行うにあたっては、売却に関して厳密な規律がなければ、売却を行っても、東京都が得る額が少なくなってしまう。同時に、都民の財産を一部の地域や団体に、移してしまうことで、サービスを受ける地域や主体が限定されてしまい、多くの都民がサービスを受ける対象から外れてしまうわけです。

 そこで伺いますが、各地方自治体への減額譲渡は、それぞれ割引率が異なっており、個別具体的な交渉が行われているわけでありますが、財務局としては、割引を行う際にどんな基準で、減額割合を決めているのでしょうか。現状を伺いたい。

○泉本財産運用部長
 区市町村に対する減額譲渡につきましては、都の行政施策上の位置づけ、都の事務事業との関連などを踏まえまして、当該財産の使用目的などによりまして減額割合を決めてございます。

○佐藤委員
 平成 17年度財務局事務事業説明において、記載されている土地売却随意契約案件44件のうち、減額譲渡されたものが、何件あるのでしょうか?また、過去5年を通してみた場合、何件あったでしょうか?

○泉本財産運用部長
 平成 16年度の随意契約で減額して譲渡を行ったものは 17件でございます。またそれ以前では、 15年度は 14件、14年度は 14件、13年度は 13件、12年度は 5件となってございます。

○佐藤委員
 ただ今、ご答弁頂いたうち、地方自治体以外に対して、減額譲渡されたものは、何件あるのでしょうか?平成17年度と、過去5年間のそれぞれについて件数を伺いたい。
 同時に、ご答弁頂いた件数の内訳をご報告頂きたいと思います。

○泉本財産運用部長
 ただ今ご報告を申し上げたもの、そして 17年度の実績のうち、地方公共団体以外に対するものは、 14年度に1件、財団法人に対して減額して売却したものがございます。それ以外の物件はすべて区市町村に対するものでございます。

○佐藤委員
 ただ今ご答弁頂きました財団法人の名称と、契約案件の内容を説明頂きたい。

○泉本財産運用部長
 名称は、財団法人東京都私立学校教育振興会でございます。契約の内容でございますけれども、都が区分所有権を持ちます飯田橋庁舎で生じた空き床の売却に伴う土地売却でございます。金額は約 2億 8000万円でございます。

○佐藤委員
 売却が行われたのは、平成 14年ですね。財団法人、東京都私立学校教育振興会は、平成 14年 4月 1日時点においては、東京都の監理団体でした。しかし、平成 15年 8月 1日時点では、東京都の監理団体から外れております。「財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例」の第 3条には、「前項に規定する場合のほか、普通財産は、都の指導監督を受け、都の事務・事業を補佐し、または代行する団体において、補佐または、代行する事務・事業の用に供するため、当該団体に譲渡するときは、時価よりも低い価格で譲渡することができる。」とあります。

 この規定に基づけば、東京都の事務や事業を補佐や代行する第 3セクターや財団法人、また NPOや民間企業に対しても、減額譲渡を行うことができるものでしょうか?
 財務当局の認識では、減額譲渡の対象をどのように考えているのか。所見を伺いたい。

○泉本財産運用部長
 東京都財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例の第 3条第 2項によります減額譲渡の対象は、東京都の監理団体及び報告団体、都が行うべき事務事業を補佐代行する用に供する場合と考えてございます。

○佐藤委員
 現在、東京都からの委託を受けて、公的サービスを提供していても、東京都の契約が切れることも、先に述べたように、監理団体から外れることも十分に考えられます。契約が切れてしまった場合や、さきのように監理団体から外れてしまった場合には、減額譲渡された土地の扱いはどうなるのでしょうか?

○泉本財産運用部長
 公的サービスを提供しているだけの団体は、財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例第 3条第 2項の団体には該当していません。また、今のご質問にございました監理団体から外れた場合、しかしながら報告団体にとどまっている場合は、第 3条第 2項の団体に該当するものとして理解をしてございます。

○佐藤委員
 また、東京都からの資本が入っている場合でも、業務のすべてが公的サービスとは限らないため、減額譲渡の妥当性があるとは言い切れないと考えております。

 そのような事もふまえ、監理団体への減額譲渡基準の根拠となる「財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例」の第 3条を見直す予定があるのかどうか。それとも、現在の運用を、今後も続けていくのかどうか、所見を伺いたいと思います。

○泉本財産運用部長
 条例第 3条を見直す予定があるかというご質問の趣旨かと存じますけれども、現在も適正に運用されているものであり、見直す必要は無いと考えております。

○佐藤委員
 現在では、資産売却の随意契約案件は、情報公開を行っておりません。
 減額譲渡を行う対象は、公的なサービスを提供する団体であるのが前提でありますから、情報公開を行っても、差し支えないと考えております。減額譲渡の手法は、一歩間違えば、都民の資産を損なう可能性を持っており、厳密にチェックする必要があるといえます。減額譲渡した資産売却案件に対して、開示請求において、契約内容を開示頂くことは可能かどうか、お答え頂きたいと思います。

 また、このように特命随意契約によって、減額譲渡した資産売却契約案件に対して、金額・割引率・理由といった契約内容を、東京都のホームページ上において情報公開してはどうかと考えているが所見を伺います。

○泉本財産運用部長
 都有地などの売り払い契約に関する公文書の開示請求が行われた場合には、東京都情報公開条例の規定にのっとりまして対応していきたいと考えております。
 また、公有財産に関してのホームページにつきましては、現在、公有財産の局別−件別リストや売却に関する入札情報などを登載しておりまして、個別の契約状況については、現在登載する予定はございません。

○佐藤委員
 東京都としての使用目的が当初の目的を達成、または目的がなくなった場合、現在では、東京都の局ごとに打診をし、そして地方自治体に打診をしておりますが、まず民間企業に売却するということも考えられると思いますが、所見を伺いたいと思います。

○泉本財産運用部長
 民間への売却に先立ちまして、区市町村に対して、土地取得の意向を確認することは、都と区市町村とが連携をして行政を進めていく上におきましても、また区市町村が行政目的で土地を取得するための機会を提供するためにも必要であると考えてございます。これまで、都としての行政需要にこたえるために使用していた財産について、今後とも、そのような考え方によりまして手続きを進めてまいる所存でございます。

○佐藤委員
 行政サービスを展開する上で、事務所や事業所として、拠点が必要となります。しかしながら、所有している土地建物についても、維持補修費用や人件費が発生しておりますが、コスト意識が薄くなりがちです。

 発生主義会計の導入によりまして、政策実施に伴うコストが明確になってまいります。これまでの行政サービスでは、土地建物を拠点としており、所有という形態をとっておりました。しかし、今後、行政サービスが、フレキシブルに組織と拠点を変えていくことが、求められるわけです。そのためには、所有という形態から賃貸へと形態を変え、土地建物を借りて、行政サービスを展開していくことが、望ましいといえます。コスト算出の明確化と、債務圧縮のため、現在、オフィスに使用している東京都の持ちビルも売却し、賃貸で使用する形を導入することを提案します。

 そこで、お伺いしたいのが、所有からリースに、形態を変えることで、コストの平準化が図れ、都民が求める行政ニーズに対して、フレキシブルな組織運営と行政サービス展開が可能になると考えるが、所見を伺う。

○泉本財産運用部長
 最近、民間企業におきまして、自己所有のオフィスビルを第3者に売却した上で賃借りをし、資金調達の手法とするケースが見られる、このようなことからのご質問かと存じますけれども、都有財産を用いるその業務の性質、または業務の安定的な基幹的な意味での遂行性、経済的な効率あるいは地価の動向等を勘案いたしまして、対応していくことが必要であろうかと考えております。

○佐藤委員
 これまで伺ってきた「公平な入札制度」によると「競争性」の確保と、土地・建物などの売却促進は、都民の信頼を得るばかりか、都財政に大いに役立つはずです。
 税収増にはなりましたが、都財政は依然厳しく、起債、つまり有利子負債の利子も 1500億円ちかくあるなど、楽観を許さないと考えております。また、少子高齢化社会の本格化により、高齢者は増加する一方、労働力人口は減少します。結果として、社会保障費は増加する一方、直接税は減少するわけです。以上のようなことを考えると、少子高齢化社会に合わせ、今こそ、財政のスリム化を一層図る必要があると考えております。

 そこで、最後に、行政の無駄を廃し、歳入を確保するなど、これからも財政再建を進めていくにあたっての、局長の所見をお願いします。

○谷川財務局長
 ただ今佐藤委員より、契約、財産に関し、多岐にわたりご質問を頂いてございます。特に私どもとしては、財産に関しましては都民の共通の貴重な財産という観点から利活用や活用法については慎重に検討していかなければならない、このように思ってございます。

 それから、先ほど指摘されておりますように、社会構造の変化にどのように財政的に対応していくか、このことも非常に大きな問題でございまして、我々としては、都財政そのものの構造改革を推進しながら、持続可能な財政基盤を確立していくということを真剣に考えてございます。そのためには、先ほど質問もございましたけれども、公会計制度の改革等、そういうツールも使いながら、よりスリムで無駄のない財政体質をつくり上げていきたい、このように思っております。
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