政 策 >>> 各会計決算特別委員会・2006/10/25
◆ 鉄道関連事業

○佐藤副委員長
鉄道に関する工事について、伺います。
鉄道と道路、河川が交差している箇所については、都と鉄道事業者が協定を締結し、工事しております。例えば、連立事業は、道路法第 31条を根拠とする「都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する要綱」などにより事業を進めております。都支出額は、国庫補助、地元区市町村の負担金も含まれますが、都の費用負担は、基本的に、区部であれば 30.1%、多摩地域の場合 31.5%となっています。
鉄道事業者側の負担は、原則として区部であれば 14%、多摩地域の場合 10%です。

連立事業だけでなく、鉄道に関する事業は、都が多くの負担をしており、責任をもって事業を履行する必要あるわけです。協定工事で多くの予算を使いながら、その内容について議会で把握されていない部分があります。そこで、現状を確認し、改善についての意見を述べたいと思います。

そこで、伺いますが過去 5年間に締結した施行協定の件数と、そのうちの都支出額の総額を伺います。

○林道路建設部長
連立事業や道路・河川と鉄道が交差する箇所の工事は、運行されている営業線そのものの改良やその近接での事業がほとんどである。
例えば、JR中央線は、多くの人々に利用されており、現在事業中の連立事業の対象となる8駅で 1日約 112万人もの乗降客がある。この事業の執行にあたっては、これらの利用者の安全の確保、安定した輸送力の維持を、最優先して、事業を進めていかなければならない。

そこで、鉄道事業者の持つ技術力やノウハウを最大限に活用し、都と鉄道事業者の役割を明確にするため、協定を締結している。立体交差事業や鉄道跨線橋補修などの道路に係る事業、河川の改修に伴う事業、踏切内の歩道拡幅の事業などで、47件の施行協定を締結している。

これらの 5年間の都支出額の総額は、約 928億円になる。

○佐藤副委員長
過去5年の執行額が、非常に大きな額であることがわかりました。
それでは、順に、事業の内容を伺っていきたいと思います。
過去 5年間の間に、新規に締結した協定のうち、道路に係る事業、河川の改修に伴う事業、踏切内の歩道の拡幅の事業について、都支出額を年度ごとにお答え下さい。

○林道路建設部長
道路に係る事業で、13年度約 6億円、14年度約 24億円、15年度約 196億円16年度約 259億円、17年度約 389億円でごさいます。
河川に係る事業では、13年度約 1億円、14年度約 11億円、15年度 10億円、16年度 8億円、17年度約 18億円でございます。
踏切に係る事業で、13年度約 1億円、14年度約 1億円、15年度約 2億円、16年度約 1億円、17年度約 1億円となっております。

○佐藤副委員長
鉄道関連工事の中でも、道路に係わる事業に関して非常に多くの予算が使われているということがわかりました。平成13年から平成17年までの間に新規に結んだ協定を見た場合、都と鉄道事業者が結んだ協定総額と年度精算額を、道路に係わる事業について対比させてみますと、平均した場合、約 98%という非常に高い執行率になっております。

また、河川については、協定総額と年度精算額が同額になっております。

また、都は、鉄道事業者に対して、「工事に係る費用及び事務費相当額」を支払っているようですが事務費を支払う根拠と、過去 5年間の都支出額のうち、事務費相当額の総額をお答え下さい。

○林道路建設部長
事務費相当額とは、事業の執行にあたり、必要不可欠となる、鉄道事業者の人件費、旅費などの経費であり、その算定にあたっては、国の定める国庫補助事業の事務費率に準拠している。
事務費相当額を支払う根拠は、事業の全体を定める施行協定であり、各年度の事務費相当額は、年度協議によって額を定め支出している。
過去5年間で締結した協定に係る都支出額のうちの事務費相当額の総額は、約 12億 3,100万円であり、いま申し上げた都支出額 928億円の約 1.3%になる。

○佐藤副委員長
都から鉄道事業者に対して、12億円あまりの事務費相当額が出ているというわけですね。
次に、工事の施工方法について確認させて頂きます。
鉄道に関連した事業の事業主体は誰で、工事施行はどのように行っているのか伺います。

○林道路建設部長
事業主体は都であるが、鉄道事業者と協力して実施しており、対等な立場で、双方合意により協定を結び、施行区分を定めている。例えば、連立事業における関連側道の構築工事は、都市側施行となるが、道施設の変更や、鉄道の運転保安上の必要がある場合においては、鉄道事業者側の施行となる。
鉄道関連の工事は、鉄道利用者の安全を確保し、安定した輸送力の維持を損なわないために、確実な工事施行が必要とされる。そのため、技術力やノウハウを持った鉄道事業者が施行する必要がある。

○佐藤副委員長
つまり、鉄道関連事業の事業主体は都になり、鉄道施設の変更や、鉄道側の運転保安上の必要がある場合においては、工事責任は鉄道事業者になるということですね。

工事は鉄道事業者が行っているとのことではありますが、業者選定は都が行いのでしょうか、それとも鉄道事業者が行うのか伺います。

○林道路建設部長
協定により、鉄道事業者が行うこととなる工事については、工事契約の当事者である鉄道事業者が、業者の選定を行う。

○佐藤副委員長
業者選定を行うのは、鉄道事業者というわけですね。
鉄道事業者の業者選定について、調査を行いましたところ、過去に問題があった事例がありました。平成 15年に新聞報道で、京王線調布駅周辺の連立事業に伴い、京王電鉄が土木工事を発注した際に、談合の疑惑が報じられました。

平成 15年の京王線の疑惑に対して、都として、どのような対策を行ったか伺います。

○林道路建設部長
京王電鉄の入札について、談合の事実は確認できなかったものの、京王電鉄の契約手続きが、疑いを持たれかねない手順であったので、都が入札のやり直しを強く求め、京王電鉄は入札をやり直した。また、局内に、各鉄道事業者の工事契約の適正化を図るため、協定工事検討委員会を設置し、この委員会において、都と鉄道事業者が締結する協定の基本方針について検討した。その結果、発注する工事については、原則として都建設局積算基準により工事費を積算すること、契約は原則として競争に付すこと、特命随意契約理由については事前協議することとし、新たに標準となる協定書案、いわば、ひな型を作成した。
そして、継続中の事業については、各鉄道事業者に、このひな型に準じた取り扱いとすることを協議し、平成 16年度以降、各鉄道事業者からは、原則として、応ずる旨の回答を得た。さらに、新たに協定を締結して取り組むこととなった、下北沢付近の小田急線連立事業については、ひな型に準じた施行協定を締結している。

○佐藤副委員長
都として、様々な対策を取ったことは評価致します。
平成 15年の京王線に関する談合疑惑について伺いましたが、都の「建設局道路建設部鉄道関連事業課」は、平成 16年8月 30日にも、「京王線(調布駅付近)連立事業の土木工事発注に係る談合情報について」という報道発表をしております。そこで、都は、「東京都工事請負標準契約書に準じ、今後、談合があったことが確定された場合、請負者に賠償金の支払いを義務付ける条項を追加するよう、京王電鉄株式会社に要請しました。」と報道発表しております。再発防止のため、賠償金の支払い義務付けを、鉄道事業者と建設業者との契約書に盛り込んだ事に関しては、評価致します。

京王電鉄疑惑の後、新規の協定として締結された下北沢付近の小田急線連立事業において、罰則規定は、盛り込まれていないようですが、今後、再発を防止するためにも、罰則規定を盛り込むよう、都として取り組んで頂くよう要望致します。

また、平成 15年の京王線疑惑の後、再度、業者選定をやり直したとのことですが、その結果、最初の疑惑が起きた時点で契約を取っていた業者も、含まれていたわけです。通常、談合事件が起きた場合、指名停止措置がなされます。しかしながら、指名停止措置は、協定には盛り込まれておりません。

鉄道建設に携わっている独立行政法人である鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)では、国土交通省の定める基準に従い、指名停止措置要綱を定め、鉄道工事の入札を行っております。
鉄道関連の事業も、多くの税金が入っている事業でありますので、ぜひ、協定においても、指名停止措置要綱を定めて頂き、国土交通省もしくは、都の基準に従って業者選定を行うよう、改善を都に要望致します。

今、申し上げました、「京王線(調布駅付近)連立事業の土木工事発注に係る談合情報について」という報道発表では、都は、鉄道事業者が引き続き、見積もり合わせの結果にしたがって業者選定を行うことは認めております。

先程、平成
15年の京王線疑惑に対しての都としての対策を伺いましたが、その後、平成 16年にも、京王線に関して、再び、談合情報が都に届いているわけです。
都が鉄道事業者に対して、賠償金という罰則をもうけるよう指導したことは評価できますが、見積もり合わせという業者選定のプロセスを改善しなければ、競争性は担保されないのではないでしょうか。

また、他県の話になりますが、先週、10月 20日づけの共同通信等の報道において、名古屋市が発注した市営地下鉄の延伸工事の入札で、事前に受注調整が行われたという疑いで、名古屋地検特捜部が関係者から事情徴収をしているとの報道がなされました。

今回、捜査が行われているのは、名古屋市ということではありますが、鉄道関連工事をめぐる競争性に対して、疑惑が起きているわけでもありますから、鉄道関連工事の事業主体である都としても、契約手続きの監督責任がある以上、制度の見直しを厳正に行うことが求められます。

都との合意に基づき、鉄道事業者は、どのように契約を締結しているか伺います。

○林道路建設部長
この事業が、公共事業であることに鑑み、契約にあたって、その透明性及び公正性の確保のため、原則として、競争に付す方法により、契約を締結している。具体的には、指名競争入札による契約や、指名競争入札の後、さらに価格を下げる交渉を行う、指名競争見積り合わせと言われる、民間企業独特の方法により、競争性を確保した契約が行われている。

○佐藤副委員長
競争に付す方法というのは、入札の義務付けがなく、指名競争入札や見積もり合わせ等で業者選定を行っているということですね。

それでは、伺いますが、都と鉄道事業者との協定において、入札に限定せず、競争に付す方法を求める取り決めをしている理由を伺います。

○林道路建設部長
東京都を含む地方自治体の場合には、地方自治法によって、原則として競争入札を行わざるを得ない。
しかし、民間企業にとっては、指名競争入札が唯一絶対の方法ではなく、それぞれの契約にとってふさわしい競争性のある契約方法を選択できる。例えば市場における競りなども、その一つの方法である。ところで、鉄道事業者により、指名競争入札や、指名競争見積もり合わせなど、契約方法に違いはあるが、いずれも都の行っている入札と同じ競争性を確保した契約方法である、と認識している。
それらを包含する表現として、競争に付す方法としている。

○佐藤副委員長
指名競争入札や、指名競争見積もり合わせが行われているとのことですが、各社の基準は、統一されておりません。統一された客観的な基準で、業者選定を行うことが必要ではないでしょうか。引き続き、鉄道関連工事の見積もりに関して伺います。

事業主体が都であるが、工事の見積もりを行うのは、都ですか、それとも鉄道事業者ですか?また、都の積算基準を使っていない場合があれば、どういう事例なのかお答え下さい。

○林道路建設部長
協定により、鉄道事業者が行うこととなる工事については、工事契約の当事者として、鉄道事業者が、工事費の積算を行う。協定書のひな型により、工事費の積算にあたっては、原則として、都建設局積算基準によることを鉄道事業者に求めている。

しかし、鉄道に関する工事については、この基準で、すべてが網羅されているわけでなく、鉄道事業者各社の基準によらざるを得ないものもある。例えば、軌道工事や信号工事などの電気・設備工事は、都建設局積算基準では定めがないため、各社の基準による。
都は事業主体として、鉄道事業者が積算する事業費及び施行計画について、事前に厳正な確認を行っている。

○佐藤副委員長
つまり、鉄道関連工事については、見積もりも業者選定についても、都は、鉄道事業者に任せているわけですね。
都が、鉄道事業者に委任する以上、しっかりとしたチェックが必要です。軌道工事や信号工事などについては、都建設局積算基準に定めがないということですが、都の積算基準がない分野については、鉄道事業者各社が見積もり算定に使えるような積算基準の補完をするよう、都に対して要望致します。
鉄道事業者の契約は、原則、競争に付す方法ということですが、特命随意契約もあるのではないでしょうか。

そこで、伺いますが、鉄道事業者は、どのような場合に、特命随意契約を行っているのか伺います。

○林道路建設部長
特命随意契約を採用する理由は大きくわけて二つある。一つは、鉄道営業線の日常運行の安全の確保や、鉄道設備の特殊性に起因する技術及び経験の必要性のある場合は、特命随意契約としている。
もう一つは、鉄道施設の品質管理、施行管理、安全管理を行ううえで、継続性を保持しなければならない場合には、特命随意契約とし、それにより責任の一元化が図られている。この場合、最初に業者を決めるときは指名競争入札等の方法で行っており、その契約の際の落札比率を基準として、その後の特命随意契約における契約金額の適正化を図っている。なお、特命随意契約理由については、都と事前協議している。

○佐藤副委員長
安全面の配慮は、非常に大切な課題であるといえます。
鉄道事業者からすれば、安全確保のために、特命随意契約で業者の選定を行っていると、述べるかもしれませんが、入札を行い、かつ、安全への対策を行っている事例もあります。

鉄道建設に携わっている独立行政法人である鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)では、鉄道工事の入札を行い、鉄道運輸機構のホームページ上で、入札経過調書の情報公開も行っております。
同時に、鉄道運輸機構(JRTT)では、「低入札価格調査制度対象工事に係る監督体制等の強化について」という通達を出し、低価格入札の場合には、監督体制の強化などを行い、安全の確保に取り組んでおります。

このように、入札を行った場合であっても、「監督体制の強化」や「示方書等への明示等」といった対策を取ることができるわけです。
税金が使われている事業である以上、安全面の配慮と競争性の、双方を実現する必要があり、鉄道運輸機構の取り組みは見習うべき事例であると考えております。

引き続き、業者選定の方法について、伺います。

私も、鉄道関連工事の現場を見てまわりましたが、鉄道事業者の系列会社が施工している現場がとても多いという印象受けました。業者選定をする際に、どのようにして業者の絞り込みをしているか疑問を持ちました。

そこで伺いますが、鉄道事業者各社が、それぞれ登録業者を持っているのか伺います。

○林道路建設部長
東京都においても、競争入札参加有資格者名簿を備えて指名業者の登録を行っているのと同じように鉄道事業者においても、安全性の確保や品質管理の点から、鉄道事業者が、それぞれ、技術力、工事実績、信頼度、資金力などに基づき業者登録していることは確認している。例えば、京浜急行連立事業においては、8工区、23業者、JR中央線連立事業においては、9工区、20業者、小田急線下北沢周辺連立事業においては、5工区、17業者が、それぞれ建設共同企業体を結成して、受注しており、多くの業者が施工を担当している。

ところで、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)については、この機構は、東北新幹線の延伸工事や成田新高速鉄道の新規敷設などの発注主体であり、また連立事業における複々線化事業として、小田急線共同連立事業と中村橋連立事業とに資金助成を行っている。

この機構は、国の独立行政法人であり、国の手続きに準じて入札経過調書の公開などの入札契約手続きを行うことを義務付けられた団体であり、民間企業である鉄道事業者とは同一に扱うことはできないと考えている。

○佐藤副委員長
現行の取り組みでは、鉄道事業者の登録業者しか競争に参加できないわけです。これでは、開かれた競争とはいえないのではないでしょうか。契約については、多額の税金が投入されている以上、客観的な基準が必要と考えます。

また、安全面への配慮と履行の確保は大事ですが、税金を使っている以上、契約内容のチェックは必要であり、過去の契約経過の関係書類を提出させるべきではないかと考えます。

そこで伺いますが、都が、どのように鉄道事業者の契約を確認しているのか伺います。また、鉄道に係る事業において、過去 5年間の入札件数と随意契約の件数をお答え下さい。

○林道路建設部長
毎年度の確認行為において、各年度の契約方法、出来形、支払い状況を確認している。そのうち、契約については、鉄道事業者から工事件名、契約金額、契約業者を記載した工事件名リストを提出させ、個々の契約についての社内資料である契約書を確認のうえ、契約経過についてヒアリングし、競争性の確保の状況を確認している。

平成
17年度は、この工事件名リストにより契約件数を把握しており、例えば、連立事業では、7路線9箇所で、総件数は、683件にのぼる。

また、鉄道事業者の登録業者しか参加できないという話があったが、多くの乗客の命を預かっている鉄道建設を完全に改変するため、技術力や経験を有する登録業者に限定し、その中で競争性を確保しながら施工業者と契約することは当然のことだと考えている。

○佐藤副委員長
工事件名リストを提出させているとのことですが、ぜひ、契約書や契約経過の関係書類などに関しても提出させる必要があるのではないでしょうか。都として、さらに詳細に、契約内容の把握に努めるよう要望致します。契約内容の把握と同時に、鉄道事業者の契約情報の公開が必要であると考えます。

都と鉄道事業者が結んだ協定を具体的に確認致しますと、道路(東京都市計画道路補助線街路第 26号線及び同第 54号線)と小田急電鉄小田原線(代々木上原駅から梅が丘駅間)との連立事業及び複々線化事業に関する施工協定書によれば、第 10条において、「必要に応じて相互に進捗状況を速やかに受けることができるものとする。」と規定しています。
同時に、16年3月 30日に、都と小田急電鉄が取り交わした覚書においても、「公正性と透明性の確保」という項目の、第 1条1−甲と乙とは、事業の遂行にあたり、公正性と透明性の確保に努めるものとする。と記されております。

以上のように、都と鉄道事業者が、協定を結び、そこには、透明性の確保が規定されているにも関わらず、契約経過の関係書類は提出されていません。事業に税金が投入されている以上、契約の検証と都民への説明のため、契約案件の審査、契約経過の関係書類の精査と開示が必要と考えます。

見積もり内容、契約経過の関係書類といった書類の提出がなければ、詳しい検証ができないのが現実です。契約経過の関係書類を都に提出してもらうことに制約はないわけですし、そもそも、公開して困る情報はないわけですから、可能な限り情報公開すべきだと強く要望致します。

都に契約経過の関係書類を提出させることを義務付け、公開も必要と考えますが、都の見解を伺います。

○林道路建設部長
透性及び公正性の確保に係る協議を行った、平成 16年度以降の確認においては、社内資料の提出に応ずる鉄道事業者も現われてきた。
平成 17年度からは、契約方法についても、都が取得した文書の扱いとなる、資料の提出を求めており、提出に応じる鉄道事業者も現われている。平成 18年度には、工事件名リストの提出にあたり、契約方法を明記させることを、すべての鉄道事業者に求めるなど、さらに、契約情報の把握に努めている。

○佐藤副委員長
鉄道関連工事の進め方について現状を伺いましたが、見積もりも業者選定も、鉄道事業者任せであるわけですね。
情報開示については、開示の判断も業者任せであったわけですが、都の働きかけで、都への契約情報の提出と情報公開の取り組みが、進んでいるということがわかりました。「都が取得した文書の扱いとなる」ということは、情報開示請求の対象となるわけですね。さらに、契約内容の審査と情報開示の取り組みを進めて頂くよう要望致します。

談合疑惑に対し、局が協定工事検討委員会で、再発防止に努力したことは評価します。しかし、現在の制度は、鉄道事業者に対して入札を強制しておりません。

鉄道事業者に対して、拘束力のある制度変更が必要であり、また、契約情報の公開が、適切な契約を行う抑止力になると考えております。

都は、入札を強制せず、現状の業者選定方法で構わないとしておりますが、都は、都民に対して、税金の使い方を説明する責任がありますし、鉄道事業者も株主に対して、事業の説明責任があります。
先程、お話し致しましたように、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)では、鉄道工事の入札を行い、入札経過調書の情報公開も行っているわけです。入札を行ったからといって、工事の内容に問題が出るとはいえません。

都も、鉄道事業者に対して、業者の選定方法を改善するよう、協定でも盛り込むべきだと考えます。

契約方法について申し上げれば、初年度が、競争入札で、2年目以降は随意契約で契約している案件もあるようですが、複数年の工事が見込まれるのであれば、最初から、複数年度契約で入札を行うべきではないでしょうか。

鉄道事業者の社内規定があるといえども、統一された客観的な業者の選定基準が、鉄道事業者各社に求められます。

京線談合疑惑が報じられた際、平成 15年 10月 10日の定例記者会見において、石原知事は、「限られた業者が、事業をあらかじめ引き受けてしまうのは、あってはならないことだ。」と答えております。また、都が京王電鉄に業者選定を委任していることに関して、記者から質問されると、「もっと開かれた形で競争入札すべき。」と答えておりまして、業者選定方法の見直しに言及しているわけです。

また、翌年には、再度、京王線に関する談合情報が都に届き、平成 16年8月13日には、定例記者会見において、石原知事が記者から京王線の談合情報のことで、質問を受け、入札そのものの見直しについても、指摘をしております。

このように、石原知事からも、平成 15年については「協定の見直し」、平成 16年については「入札そのものの見直し」の指摘があったわけです。しかしながら、その後も、鉄道事業者各社の業者選定の方法が、根本的に変わったわけではなく、入札による業者選定を行っているわけではありません。
また、先程、平成 15年の疑惑に対して、都が対策を行ったと伺いましたが、翌、平成 16年度に再び、談合情報が都に届いたわけです。

見積もり合わせという業者選定のプロセスを改善しなければ、競争性は担保されないのではないでしょうか。また、先程、申し上げたように、名古屋市では、地下鉄工事に関して、名古屋地検特捜部が関係者から事情徴収をしているおり、鉄道関連工事について厳しい目が向けられております。業者選定方法に関しては、客観的に見て公正であるプロセスと、各鉄道事業者により異なっている業者選定方法ではなく、統一された基準が必要と考えます。そういった理由からも、入札による業者選定が望ましいと考えます。

都は、鉄道事業者に対して、入札の義務づけを行うべきと考えますが、見解を伺います。

○林道路建設部長
再三ご答弁申し上げているとおり、原則として競争入札を行わざるを得ない自治体と異なり、民間企業である鉄道事業者にとって、指名競争入札が契約に当たっての唯一の方法ではないと考えている。入札を行った上で、さらに契約交渉を行う指名競争見積り合わせも、十分競争性のある契約方法だと考えている。

○佐藤副委員長
鉄道事業者が、業者選定を行っている現状のもとでは、入札の義務付けは難しいというお答えなのでしょうが、今後の課題として、入札の義務付けについて検討頂くよう要望するとともに、契約経過の関係書類の情報公開、登録業者制度の改善と、新規事業者の参入について、鉄道事業者への指導及び、制度の改善を強く要望致します。

鉄道関連工事には、過去 5年間で、平成 13年から平成 17年の間に、新しく締結された協定においては、約 928億円もの多くの予算が使われております。しかし、協定については、議決案件でなく、請負契約でないため、財政委員会にも契約案件として提出されておりませんし、環境建設委員会にも契約案件としての審議を行うわけでもありません。

予算としては、議会において審議されておりますが、複数年の固定的な費用が発生すること、また、金額が非常に大きいことから、新規協定そのものを契約案件として、審議することも、必要ではないかと考えます。
契約案件として、議会審議すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○島総務部長
連続立体交差事業等については、毎年度、予算として都議会で十分なご審議の上、議決をいただいており、また当該事業の区市町村負担金についても、地方財政法の規定に基づき、毎年度、議会の採決をいただいている。

なお、議決事項は地方自治法に列挙されており、契約案件は、地方自治法施工令で定める工事または製造の請負に限定されている。連続立体交差事業等は、都と鉄道事業者が相互に協力して行う共同事業であることから、議決案件にはならないと考えている。

○佐藤副委員長
議会では、予算案の審議がなされるのみにとどまっているわけですが、新規協定の締結の是非、そのものを、議会で審議するべきと考えております。
審議会の決定を受けているということですが、審議会だけでは、事業のチェックが行き届かなかったために、平成 15年の京王線疑惑が起きたともいえます。

連立事業に関して申し上げれば、国が着工準備採択を決定し、都の都市計画審議会で、都市計画決定をした上で、国が事業認可の判断をすることになっています。
つまり、新規協定の締結の際、議会の意志を反映させることが、非常に難しいのが現状です。
連続立体事業をはじめ、単独立体交差事業や、河川に係る事業、踏切に係る事業など多くの鉄道関連工事があり、先にお答え頂いたように、過去 5年間で、平成 13年から平成 17年の間に、新しく締結された協定においては、約 928億円もの税金が使われているわけです。

請負契約にあたらないから、議決事項ではないというお答えでありましたが、では、新規協定の締結の是非について、議会の意見をどう反映させるのか、都として、真摯に考え、改善に取り組むべきではないかと考えます。

今後の協定の締結や年度協議の執行を含め、議会の意志を反映するよう検討をお願いします。

見積もり方法、契約の仕方、契約経過の関係書類についての確認方法と情報公開等と、鉄道関連工事の契約手続きに関しての質疑を行ってきましたが、これだけ多くの税金が使われているわりには、都が事業の内容を十分に把握できていないという印象を強く受けます。

協定の締結は、「東京都契約事務の委任等に関する規則第 6条3項」により、知事から建設局長に委任されると規定されていますので、建設局長が責任者として、協定を締結されているわけです。
協定では、都と鉄道事業者とは、対等な契約関係であるとされているかもしれませんが、税金から、事務費相当額を支払っているわけでもありますので、契約事務の手続きが、さらに厳正な手続きになるよう、改善されるべきです。

また、同時に、税金が使われている以上、書類の提出について、鉄道事業者も都に協力的な姿勢で、事業に取り組む必要があります。

鉄道事業者に対して、透明性及び公正性の確保について、その履行状況の厳格な把握を求めますが、
都の見解を伺います。

○林道路建設部長
これまでも、鉄道事業者の工事の発注にあたっての、工事の見積り、契約手続きに係る透明性及び公正性の確保について、確認行為の中で、ヒアリングを行い、社内資料を書面審査し、資料の提出を求めてきた。
今後も、社会的要請を踏まえ、鉄道事業者に対して、この事業が公共事業であることを十分に認識させ、よりいっそうの意識改革を求め、透明性及び公正性の確保に確実に取り組むよう、積極的に進めていく。

○佐藤副委員長
決算の質疑であるからこそ、事業の進め方を伺い、改善点の指摘と要望を致しました。
今後も、事業を進めるためには、今の事業の進め方の改善が不可欠であると強く申し上げておきます。

鉄道関係事業は、多くの都民及び利用者からの要望の強い案件です。しかしながら、多くの予算を使うので、その公正化と透明性を確保することが求められます。

都は、税金の使い方を説明する義務があります。また、鉄道事業者も、株主に対しての説明責任があるわけです。制度の枠組みの中で、どのようにして、鉄道事業者に協力させ、都民の信頼を得るような事業運営を行うかが、鉄道関連工事の事業主体である都に対して、問われております。税金の使途を検証し、契約内容を見直すためにも、鉄道事業者からの契約情報の公開の徹底を強く要望致します。

最後に、今後の鉄道関連工事における予算管理について、申し上げます。

複数年に及ぶ協定は、年度ごとに、年度協議を結び、事業執行を行っております。協定は複数年度にまたがる契約であり、鉄道関連工事という事業の性格上、事業途中の凍結は難しいといえます。
複数年の協定を結ぶことは、つまり、将来的にわたって複数年の固定的な、巨額の費用負担を生み出すことになるわけです。

それが、議会の議決を経ることなく、決まっているのが現状です。年次の予算審議を行うといっても、新たな協定締結に伴う、将来的な負担の審議がされているとはいえない状況にあります。

毎年、年度協議の執行内容を確認することにとどまるのではなく、規律のある財政運営を行うためにも、現在の協定の残り総額を把握した上で、新規協定の締結を行うかどうかについて、議会で審議を注意深く行う必要があります。建設局で予算管理を行うだけにとどまることなく、今後、新たな協定締結に伴う予算措置を行うためには、事業の改善とともに、議会の意志反映が不可欠であると、強く申し上げておきます。多岐にわたり、質疑をさせて頂きましたが、以上で、私の質疑を終わります。

○林道路建設部長
連続立体交差事業にかかわる経費を含めます知事の提案する予算案は、その内容について、常任委員会、予算委員会、本会議での広範な審議を経て議決をいただいているところである。
協定による鉄道関連事業においては、複数年度にまたがる施行協定を結んでいるものが確かに多くあるが、この中で、各年度に事業費については、議決をいただいた予算の範囲内において定めることとなる。また、連立事業などにおいては、地元区市町村の受益負担金を徴するに当たって、地財法に基づいてやはり議会の議決をいただいているところである。

鉄道関連事業の執行にあたっては、利用者の安全の確保、安定した輸送力の維持を最優先しなければならない。そこで、鉄道事業者の持つ技術力やノウハウを最大限に活用し、都と鉄道事業者の役割を明確にするため、協定を要請しているところである。

しかし、鉄道事業者は民間企業であり、契約の自由の原則により、各工事の契約は、社内の規則に基づき締結をしているところだ。しかし、この事業が公共事業であることに鑑み、契約締結に当たっては、競争性を持った方法とすることについて、東京都は求めており、各鉄道事業者からその協力を得ているところだ。

引き続き、鉄道事業者に対して、社会的要請や公共性を十分に認識させ、透明性、公正性を確保しながら、安全に事業を推進していく。
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