政 策 >>> 経済港湾委員会・2008/11/18
◆「新銀行東京」問題について、経済港湾委員会にて質問しました。

〇佐藤委員
 地域の金融機関と連携した新たな金融支援策について伺います。
 これから要綱をおつくりになるということですが、金融機関との協議項目は何か、お答えください。

〇保坂金融部長
 今後、融資の実施に向けて、金融機関との取引の長さや内容といった対象企業の要件の詳細や、融資限度額、融資期間、金利等の負担水準といった融資条件などを金融機関等と調整していくこととなります。

〇佐藤委員
 これは先ほど大西議員が質問されましたので、重複を避けようと思いますが、今回の制度では、融資先の企業がある限り制度が続いてしまいます。このように税金の負担割合が高い制度は、非常に景気が厳しい時期に限定して実施するべきではないかと考えております。重複しておりますので、省略いたします。
 続きまして、融資を実施してしまえば、運転資金であるだけに、使途は問えません。金融機関の融資の返済に使われることを防ぐには、どのような措置を考えているのか、お答えください。

〇保坂金融部長
 本支援策においては、中小零細企業の事業経営に必要な小口の運転資金を想定しておりまして、原則として、既存の借入金の返済のための資金は考えておりません。
 なお、その審査に当たっては保証機関を活用することが一つの効果的な策であると考えております。金融機関と保証機関が車の両輪のごとく審査を行うことにより、精度の高い審査が行われることを期待しております。

〇佐藤委員
 この制度ですが、何年の債務負担行為になるのでしょうか、教えてください。

〇保坂金融部長
 平成二十一年度から平成三十九年度までの十九年間でございます。

〇佐藤委員
 信用保証協会の融資の場合には、金融機関のリスク負担は二割です。また、信用保証協会の緊急融資を使った場合、金融機関のリスクはありません。制度融資を選んだ場合に比べまして、金融機関は引当金を積む金額がふえます。金融機関に資金があった場合、当然、リスクがない信用保証協会の緊急融資を使った、そういった制度融資を選ぶでしょうが、今回都が提案している制度を金融機関が選ぶメリットは何か、お答えください。

〇保坂金融部長
 景気後退の影響を受け、緊急保証制度によっても資金が十分に調達できずに苦しんでいる中小零細企業の方々が多くいらっしゃいます。本支援策では、そうした中でも、高い技術力やすぐれたビジネスプランなどにより、この難局さえ乗り切れれば将来的に展望が開ける企業を見出して支援してまいる考えでございます。
 本支援策の実施によりまして、金融機関にとっては、これまで取引関係を築いてきた中小企業への支援の可能性が高まることが期待されております。

〇佐藤委員
 制度融資で、融資先の企業に与信枠を設けているわけです。その枠で融資を受けることができない企業に融資をするわけですから、与信枠をオーバーして融資することになるのではないでしょうか。税金でそこまでリスクを負ってよいのでしょうか。見解を伺います。

〇保坂金融部長
 先ほども答弁申し上げましたが、景気の後退の影響を受け、制度融資の信用保証枠を使い切っていることなどから、緊急保証制度によっても資金調達が十分にできず、苦しんでいる中小零細企業の方々がいますが、そうした中、高い技術力やすぐれたビジネスプラン等を持った企業を支援することは、東京の産業活力の維持向上にとって重要であります。
 そうしたことから、都として一歩踏み込んだ支援が必要である、こう判断いたしまして、国の信用補完制度によらない新たな制度を創設するものでございます。

〇佐藤委員
 金融機関にとってリスクが低いからといって、甘い融資になってはいけません。信用保証協会のように、外部の第三者のチェックを受けることが必要と考えますが、見解を伺います。

〇保坂金融部長
 債務不履行の過度な発生を抑制して、本制度の安定的な運営を確保するために、保証機関の活用が一つの効果的な措置であると考えております。繰り返しになりますが、金融機関と保証機関が車の両輪のごとく審査を行うことにより、精度の高い審査が行われることを期待しております。

〇佐藤委員
 今都が支援すべきは、金融支援でもありますが、企業間取引の拡大支援も必要なのではないかと考えております。企業間に相互不信感が高まって、取引が縮小しているのが現状です。手形の割引を行う際に、中小企業にとって手形の割引料の負担が大きいと聞いております。手形の割引料の補助など、さまざまな企業間取引などの拡大支援も今後都から国に声を出していただくよう要望しておきます。
 今回、融資支援制度のように、他道府県で実施した例はあるのかどうか、また、その補助総額と負担割合、破綻率等をお答えください。

〇保坂金融部長
 本支援策は、東京都が独自に創設する制度でございます。その融資スキームは、現在調整中のため、他道府県との比較をできる段階にはございません。

〇佐藤委員
 他道府県で実施した例がないわけですが、制度融資が使いにくいからといって今回の制度を提案したわけですが、制度融資のメニューを拡充することで対応するべきではないかと考えますが、見解を伺います。

〇保坂金融部長
 本支援策は、景気の後退の影響を受け、緊急保証制度によっても資金調達が困難な中小零細企業に対して、さらに一歩踏み込んだ支援が必要と判断して実施するものでございます。ご指摘のような、制度融資が使いにくいから実施するという性格のものではございません。
 なお、制度融資の拡充につきましては、既に東京都において、昨年十月末から、国の緊急保証制度に対応し、制度融資に最優遇金利を適用した融資メニューでございます経営緊急を創設するとともに、特に小規模企業者に対しては保証料二分の一を補助するなど、都独自の対応も行っているところでございます。

〇佐藤委員
 今回の制度を実施すると、金融機関のリスクは減りますが、その分、金融機関が慎重に審査するインセンティブも減ってしまいます。金融機関が慎重に審査するインセンティブを持たせなければ、それだけ税金の損失は膨らみます。金融機関が慎重に審査するインセンティブを持っていただくためにも、金融機関ごとに破綻率を集計し、破綻率が高くなるようであれば、それに応じて金融機関の負担割合がふえるといった制度にするべきではないかと考えますが、見解を伺います。

〇保坂金融部長
 本支援策では、地域の金融機関と連携を図りながら、将来的に展望が開ける企業などを支援していくものでございます。そのため、都の制度融資を通じて、長年にわたって協力関係を構築している地域の金融機関の目ききの力や融資ノウハウを活用していく考えでございます。
 また、本支援策の実施に当たっては、債務不履行の過度な発生を抑制することが必要であり、保証機関を活用することも一つの効果的な措置と考えております。金融機関と保証機関が車の両輪のごとく審査を行うことにより、精度の高い審査が行われることが期待できます。こうした措置により、本制度の安定的な運営を確保してまいります。

〇佐藤委員
 これから債権が焦げついた場合の負担割合を決めるということでありますが、赤字の金融機関に関しては、融資している割合の中で破綻率が非常に高いわけです。今回の制度を利用した場合、都の税金の投入額がふえることも予想されます。赤字の金融機関に関しては、決算が黒字となってから新規の融資を認めるように線引きをすべきと考えますが、見解を伺います。

〇保坂金融部長
 本支援策は、日ごろの取引を通じて、企業の顔が見えている地域の金融機関と連携して取り組む考えであり、支援対象は、各金融機関の顧客であります。そのため、幅広く地域の金融機関の協力を得たいと考えております。特定の金融機関を排除するものではございません。

〇佐藤委員
 また、税金を使って損失の補てんをするわけですから、適切に経営を行っている金融機関に対して制度を実施するべきであり、過去三年間に行政処分を受けた金融機関は、信頼に足る経営を行っていなかったわけですから、制度の対象外とすべきと考えますが、見解を伺います。

〇保坂金融部長
 繰り返しでございますけれども、本支援策の対象は、あくまでも中小零細企業であり、地域金融機関の幅広い顧客でございます。したがって、幅広く地域の金融機関の協力を得たいと考えております。
 行政処分を受けた金融機関を排除せよとのご主張でございますけれども、都の制度融資においても、中小企業の資金調達の円滑化や利便性の確保を重視する観点から、例えば業務改善命令を受けたことを理由として指定金融機関から排除したことはございません。

〇佐藤委員
 融資先の企業が破綻して、信用保証協会の融資と今回の制度を両方使っていた場合、支払い先が違うとしても、都として補助金を二重に支払うことになるわけですが、これについては問題ないんでしょうか。お答えいただきたいと思います。

〇保坂金融部長
 二重払いという意味、若干、私には不明な点もございますが、例えば制度融資と本支援策の両方の制度を活用いたしまして融資を受けた中小企業が破綻した場合、債権は制度融資と本支援策の二本でございます。それぞれの損失に対して、適正な手続を経て補助金が支払われることになるので、何ら問題はないと考えております。

〇佐藤委員
 客観的に融資の状況を監視をして、違法性のあることが起きないようにチェックをするために、審議会などを設けまして、外部の第三者による審査体制や案件のチェックを行ってはどうかと考えますが、見解を伺います。

〇保坂金融部長
 損失補助の執行に当たっては、当然のことながら、所管部におきまして、その妥当性について審査し、適正を期していく考えでおります。外部の専門家を活用するなど、具体的な仕組みについては今後検討してまいります。

〇佐藤委員
 今回、債務負担行為の枠として四百五十億円を用意していると聞きました。つまり、五百億円融資を実行して、最大九割が焦げつくと考えているわけです。金融機関は、数%の利子で収益を上げるために目ききをして融資を実行しているわけです。調査報告書に記載されている新銀行東京の実績デフォルト率も、二割には達しておりませんでした。この九割という想定は一体どこから来るものでしょうか、お答えください。

〇保坂金融部長
 お尋ねの債務負担行為に計上した限度額四百五十億円についてでございますけれども、これは融資目標額五百億円に対して予算上の損失補助の割合を機械的に乗じて算出したものであり、債務負担行為における一般的な計上の方法を踏襲したものにすぎません。したがって、これをもって他の金融機関のデフォルト率などと比較することは意味がございません。

〇佐藤委員
 そうですか。わかりました。
 また、新銀行東京では、多くの税金が失われたわけです。都として、新銀行東京の失敗をどう受けとめて、今回の制度にどう生かしているのか、見解を伺います。

〇保坂金融部長
 これまでるる述べてきましたように、本支援策は、都内中小零細企業を取り巻く現下の厳しい状況を直視し、その資金繰りを支援するため、都独自の新たな融資制度を創設するものでございます。公的な制度であり、当然のことながら一定のリスクはとっていかなければなりませんが、債務不履行の過度な発生を抑制し、制度の安定的な運営を確保することが重要でございます。
 そうした観点から、本支援策では、地域の金融機関の持つ目ききの力を活用し、融資対象を各金融機関と一定期間取引を継続している企業としております。また、保証機関の活用が一つの効果的な措置と考え、金融機関と保証機関の両者が審査を行うことにより、精度の高い審査が行われることを期待しております。
 さらには、債務不履行に対して都が損失補助を行うに当たっては、制度融資と同様に、所管局において、その妥当性について審査し、適正を期してまいります。
 以上のようにもろもろの措置を講ずることにより、本支援策を着実に実施していく所存でございます。

〇佐藤委員
 今回の融資制度は、一言でいえば、リスクの高い企業への融資になるわけです。従来、信用保証協会を使った融資を受けていたとしても、そこで融資を受けることができない状況になっている企業に制度をつくって融資するわけです。信用保証協会が判断した与信枠を超えて与信枠を新たに設定するわけですから、リスクの高い企業への融資といえるのではないでしょうか。
 リスクの高い企業への融資といえば、これまで新銀行東京が取り組んできたことでした。今回の融資制度が考えている顧客と新銀行東京の顧客層は一致します。つまり、信金で融資が難しくなって新銀行東京に行っていた顧客が、信金の融資だけで済ませることもできるようになってくるわけです。今回の制度を実施することで、新銀行東京の顧客や潜在的な顧客が減ってしまい、新銀行東京の経営がさらに厳しくなるのではないかと考えますが、見解を伺います。

〇保坂金融部長
 現在の危機的な金融情勢のもと、都内中小零細企業は、資金調達に苦慮しているところでございます。そうした中、高い技術力やすぐれたビジネスプラン等を持った企業などを支援することは、東京の産業活力の維持向上にとって重要なことでございます。
 都としては、今回提案している新たな金融施策や制度融資における緊急保証制度とともに、新銀行東京による赤字または債務超過先企業への継続支援など、さまざまな取り組みを通じて中小零細企業への金融支援策の充実を図ってまいります。

〇佐藤委員
 引き続き、新銀行東京に関して伺います。
 先ほどから融資支援の議案を議論してまいりましたが、そもそもこういう景気が厳しいときに役に立つのが新銀行東京だったわけです。この新銀行東京がほとんど役に立たず、産業労働局として、今回の制度を提案しているということは、新銀行東京はもはや存在意義がないと内外に公表しているようなものではないでしょうか。見解を伺います。

〇中村金融監理室長
 新銀行東京では、今年度の後半からは、中小零細企業向け融資に積極的に取り組んでおります。中小零細企業向け融資等の四半期ごとの実績は、第一・四半期が七十件で十八億円、第二・四半期が七十三件で二十億円であるのに対し、第三・四半期では二百八十三件で八十二億円と大きく伸びており、累計では四百二十六件、百二十億円となっております。このうち、既存顧客への折り返し融資は二百六件、三十八億円であり、その割合は、件数で約五割、金額で約三割となってございます。これらを含めて、平成二十年十二月現在で、新銀行東京は約一万社の中小零細企業と取引をしております。とりわけ他行から支援が難しい赤字または債務超過先四千九百二十三社と取引を継続しており、存在意義がないとのご指摘は当たらないと考えます。

〇佐藤委員
 融資先企業のことを常々おっしゃいますが、その前に金融機関がつぶれてしまうのでは、融資先企業もあったものではないと思います。
 続いて伺いますが、調査報告書によれば、スコアリングシステムの調達に関して、チューニング等の点で問題があったとして、再度システムを購入したとあります。つまり、当初購入したものはむだになったわけですが、当初システムには幾らの経費がかかっていたんでしょうか。お答えください。

〇中村金融監理室長
 昨年三月の本委員会において報告しているところでございますが、新銀行東京はスコアリングモデルを含む基幹系システム全体を七十五億九千万円で取得しているところでございます。
 なお、スコアリングシステムのみの取得費用は、経営上の情報であり、新銀行東京は明らかにしてございません。

〇佐藤委員
 多額の経費がかかっているスコアリングシステムの導入に当たって、そのテストは十分に行わなかったんでしょうか。お答えください。

〇中村金融監理室長
 一般的に情報システムを導入する際は、システムの安定的な運営を確保するため、当然、稼働テストを行うものでございます。新銀行東京も、スコアリングシステムの導入に当たって、稼働テストを実施したと聞いてございます。

〇佐藤委員
 スコアリングシステムの調達に関して、チューニングなどの点で問題があったとありますが、これは東京税務協会が都から委託を受けたものです。都として、税務協会の責任を問うつもりはあるでしょうか。お答えください。

〇中村金融監理室長
 今回の外部調査報告書でも明らかにされてございますが、スコアリングシステムの選定は、後に新銀行東京の執行役に就任する七名と監査法人やコンサルティング会社及び民間企業など、関係者の間での議論結果を踏まえた成果であり、最終的には新銀行東京が導入を決定したところでございます。
 また、導入当時、スコアリングモデルは、公的機関等によりその活用が推奨されるなど、融資審査における有力なツールとして認識されており、当初採用した株式会社金融エンジニアリング・グループのスコアリングシステムは他行においても採用されていたものでございます。システム自体が当初から欠陥があるというご指摘であれば、そのようなことは当たらないというふうに考えております。
 こうした導入の経緯などを踏まえれば、都として東京税務協会の責任は問えないと認識してございます。

〇佐藤委員
 今回の調査報告書には、このスコアリングシステムがうまく機能しなかったとありますから、こういったことをお伺いしているわけでありますが、失敗の検証をやっていかなければ、今後対策もとれませんし、細かい内容というものをつぶさに見ていかなければいけないと思います。
 スコアリングモデルの発注に際して議論を行った議事録は、資料要求いたしましたが、結果として出てきません。なぜ資料を出せないのか、お答えください。

〇中村金融監理室長
 システムにかかわる一連の資料は銀行業務に活用するものであり、平成十六年度の新銀行東京発足時に委託先の東京税務協会から都を経由して新銀行東京に引き継いでございます。したがいまして、現在、都では保有してございません。

〇佐藤委員
 続いて伺いますが、「調査報告書の概要について」の四ページを見ると、「平成十八年八月ころには、平成十八年七月末時点のデフォルト発生状況に基づいて平成十九年三月期の収益見通し等が試算されたが、そのうち一般貸倒引当金を当時の新銀行の内部規程どおりに算出した場合の通期の経常損失は約一千一億円となっており、開業後わずか二期目で一千億円を超える資本が費消される可能性のあることが予測される状況になっていた。」とあります。
 また、調査報告書の二二ページにも次のような記載があります。実際のところ、平成十八年度七月末までの貸倒償却額は、貸出金利息、保証料の合計である約十八億円−−平成十八年度の年度末計画比の約七億円減でありますが、これを大きく上回る約二十七億円に達しており、デフォルト率と金利との均衡は完全に崩壊し、収益が全く上がらないばかりか、毎月損失だけが拡大する状況が継続していたのである。つまり、危機的な経営状況に陥っていたわけです。そんな状況で、平成十八年度には四人の執行役が退任し、二人の社外取締役も退任するという事態になっています。
 しかし、「調査報告書の概要について」の五ページを見ると、以下のような記載があります。平成十八年十一月二十九日の取締役会において、平成十九年三月期中間決算における一般貸倒引当金に関し、丹治元執行役より、実績デフォルト率を使用した場合の一般貸倒引当金が想定デフォルト率を使用した場合の金額の約四倍の四百十三億円となる旨報告がされたが、結論として中間決算においては実績デフォルト率ではなく、想定デフォルト率を使用するものとされ、この時点に至ってもなお危機的なデフォルトの発生状況が収益に与える影響を踏まえた中期経営計画等の見直しや小口定型商品の融資実行の停止等の議論はなかった。つまり、新銀行東京の内部規程どおりに一般貸倒引当金の計上を行わなかったわけです。このことを知事及び局長が報告を受けたのはいつでしょうか、お答えください。

〇中村金融監理室長
 新銀行東京は、外部調査報告書を受け、旧経営陣に対しまして訴訟を提起することとしてございます。お尋ねの件につきましては、訴訟において旧経営陣の法的責任を追及する際の重要な点となる可能性があるため、本委員会でのお答えは差し控えさせていただきます。
 なお、平成十八年度の中間決算発表時において、経常損失が、年度計画の百八十億円に対し、既に百五十四億円を計上していることなどについては、速やかに知事及び局長に報告を行ってございます。

〇佐藤委員
 また、この当時、都と新銀行東京は定期的に連絡会を開催しております。金融部長及び監理課長が当時の連絡会の出席メンバーかと思いますが、新銀行東京の内部規程どおりに一般貸倒引当金の計上を行わなかったということを、いつの連絡会で聞きましたか、お答えください。

〇中村金融監理室長
 先ほどもお答えしたところでございますけれども、新銀行東京は、外部調査報告書を受け、旧経営陣に対し訴訟を提起することとしてございます。お尋ねの件につきましては、訴訟において旧経営陣の法的責任を追及する際の重要な点となる可能性があるため、本委員会でのお答えは差し控えさせていただきます。

〇佐藤委員
 なぜこのようなことを伺っているかというと、新銀行東京は確かに乱脈経営を行いました。しかし、新銀行東京の経営の監視をする立場なのが東京都なわけです。株主としていろいろ報告を受けて、そして、株主としてさまざまな経営監視の責任を負うわけです。しかし、経営監視の状況というものを、こういった委員会の席でもなかなかお話をいただけない。私は、それはお粗末だと思いますし、東京都としての責任というものも考えていくべきだろうと思っております。
 続いて伺いますが、調査報告書にもあるように、想定デフォルト率を用いており、実際の数字と乖離していたわけですが、貸倒引当金の計上などが適切に行われていなかった。今回金融庁の業務改善命令などがありまして、取り組みを行ったようではありますが、新銀行東京の決算が正確といえるのはどの時点からなのか、お答えください。

〇中村金融監理室長
 新銀行東京のこれまでのいずれの年度決算も監査法人が適正意見を付したものでございます。また、決算は監督官庁である金融庁にも提出されてございます。こうしたことから、これまでの決算について、都としては適正な手続を踏まえて作成されたものと考えてございます。

〇佐藤委員
 続いて伺いますが、平成二十年十二月の経済・港湾委員会要求資料、11ページによりますと、監査法人であるトーマツが新銀行東京に対して、貸倒引当金計上に当たって、当面の措置としてFEGにおける期待デフォルト率を使用している。審査・与信企画グループでは十七年十二月までのデフォルト実績に基づいて分析を行い、その結果に基づいて個人の格付を一定以下に抑えたり、業種分類マニュアルを策定することにより改善を実施しているが、十八年一月以降のデフォルト実績分析が行われていないと指摘していますが、この指摘が行われた時点はいつなのか、お答えください。

〇中村金融監理室長
 昨年三月に発表された新銀行東京の内部調査報告書によれば、この指摘が行われたのは平成十八年五月とのことでございます。
 なお、平成十七年度決算における監査報告書には、ご質問にあった監査法人の指摘は付されておりません。

〇佐藤委員
 「調査報告書の概要について」の二ページと三ページを見ると、遅くとも平成十八年八月末時点で想定デフォルト率と実績デフォルト率の間に大幅な乖離が生じる結果となっており、融資審査において、スコアリングシステムは想定どおりの機能を発揮できなかったという記載があります。
 では、この当時、都と新銀行東京は定期的に連絡会を開催しておりました。金融部長及び監理課長が当時の連絡会の出席メンバーだと先ほど申し上げましたが、想定デフォルト率と実績デフォルト率との間の大幅な乖離が生じる結果となっているということを、いつの連絡会で聞きましたか。お答えください。

〇中村金融監理室長
 新銀行東京は、外部調査報告書を受け、旧経営陣に対して訴訟を提起することとしてございます。お尋ねの件につきましては、訴訟において旧経営陣の法的責任を追及する際の重要な点となる可能性があるため、本委員会でのお答えは差し控えさせていただきます。

〇佐藤委員
 引き続き伺いますが、また連絡会の出席メンバーは、貸倒引当金計上に当たって、当面の措置としてFEGにおける期待デフォルト率を使用しているということを知ったのは、いつの時点でしょうか。お答えください。

〇中村金融監理室長
 お尋ねの件は、監査法人が新銀行東京に対して指摘していたことだろうと思いますけれども、都としてはそのような報告は受けてございません。

〇佐藤委員
 連絡会の出席メンバーは、実績デフォルト率を用いた一般貸倒引当金の計上をしなければ、決算の数字が大きく変わってくるということを理解していなかったんでしょうか。お答えください。

〇中村金融監理室長
 お尋ねの件は、都が新銀行東京から報告を受けていたとの前提に立ってのご質問だと思いますけれども、これまでもお答えしているとおり、新銀行東京が訴訟を提起する際に旧経営陣の責任を追及する上での重要な点となる可能性があるため、本委員会でのお答えは差し控えさせていただきます。

〇佐藤委員
 では、伺いますが、連絡会の出席メンバーは、想定デフォルト率と実績デフォルト率との間に大幅な乖離が生じる結果になっているということを知りながら、なぜ実績デフォルト率を用いた一般貸倒引当金の計上を指摘しなかったんでしょうか。お答えください。

〇中村金融監理室長
 今お尋ねの件も、都が新銀行東京から報告を受けていたとの前提に立った質問だと思いますが、先ほどもお答えしたとおり、新銀行東京が訴訟を提起する際に旧経営陣の責任を追及する上での重要な点となる可能性があるため、本委員会でのお答えは差し控えさせていただきます。

〇佐藤委員
 平成二十年十二月、経済・港湾委員会要求資料の一一ページにありますが、新銀行東京が契約していた監査法人が行った指摘事項と指摘に基づく業務の改善内容が記載されておりますが、そこには、十八年一月以降のデフォルト実績分析を実施、平成十八年度本決算より実績デフォルト率に基づく一般貸倒引当金の計上を実施しているとのことです。つまり、平成十八年八月末時点で想定デフォルト率と実績デフォルト率との間に大幅な乖離が生じる結果になったにもかかわらず、内部規程に反して、実績デフォルト率を用いた一般貸倒引当金の計上をしなかったわけです。
 また、「調査報告書の概要について」の五ページにあるように、十八年八月三十日、十八年十一月二十九日の取締役会でも、中期経営計画等の見直しや小口定型商品の融資実行の停止等の議論はなされなかったということです。中間決算では、一般貸倒引当金を少なめに積んで、実態以上に決算をよく見せております。そして、決算では、監査法人の指摘もあり、一般貸倒引当金を実態どおり積むわけですから、平成十九年夏の決算発表時にやっと本当の実績が出てきます。
 また、平成十九年六月まで、中期経営計画等の見直しや小口定型商品の融資実行の停止がなされないために、外部から見て、経営が悪化している実態がこの間ずっと見えてこなかったわけです。
 調査報告書の二六ページにも、丹治幹雄元執行役は、平成十八年八月ごろ、平成十八年七月末時点のデフォルト発生状況に基づいて、新銀行東京の規定どおりに一般貸倒引当金及び個別貸倒引当金を算出して、これを前提として、平成十九年三月期の収益見通しを試算したところ、一千一億円の経常損失を計上する結果となり、かかる数値を前提とすると、開業後わずか二期目で一千億円を超える資本が費消される可能性があることも認識していたのであると記載されています。
 また、調査報告書の概要も、監査法人の改善提案と当社の対応を見てみますと、次のように記載されています。その際、デフォルト実績と想定デフォルト実績が乖離している状況から、想定デフォルト率を使うことは問題であり、会計検査人として想定デフォルト率を使用した中間決算を対象とする中間監査はできない旨、代表執行役に口頭で申し入れをしたが、代表執行役から、中間期については想定デフォルト率に基づく引き当てに基づき決算を行う、中間監査報告書は不要という回答があったわけです。
 また、新銀行東京は、中間決算直前に百五十七億円の資金調達をしております。これは劣後債と呼ばれるもので、自己資本に組み入れることができる反面、金利が高いわけです。つまり、新銀行東京の経営者は、将来の支払いよりも当座の資金の確保に走ったわけです。これによって、自己資本率が若干高くなっておりました。
 これらをいいかえれば、平成十九年の夏の決算発表時まで、新銀行東京の決算を実態以上によく見せているわけです。しかも、経営実態に基づいて試算すれば、開業後わずか二年で一千億円を超える資本が費消される可能性があることも隠されていたわけです。
 会計監査人に対して代表執行役から中間監査報告書は不要という回答があったほど異例のことをして、決算をよく見せようとしているわけです。これはなぜでしょうか。大きな疑問です。
 ちょうどこの時期、平成十九年四月には、東京都の都知事選挙がありました。つまり、都知事選挙の前まで、新銀行東京は実態以上に決算をよく見せている。そして、わずか二期目で一千億円を超える資本が費消される可能性も隠されていたわけです。都知事選挙が終わってから、やっと本当の実績が出てくる。これでは、都知事選挙の際に新銀行東京の経営実態を隠す目的があったと指摘されかねないタイミングではないでしょうか。もし仮にそうであったとしたら、本来、都知事選挙が未来への選択をすべき大切な機会であるのに、都民は新銀行東京の実態を知らずに都知事選挙に臨んでしまったといっても過言ではないでしょう。
 また、中期経営計画等の見直しや、小口定型商品の融資実行の停止がなされるのが遅くなったことにより、新銀行東京の経営をより悪化させているといえるのではないでしょうか。
 そして、各決算期には、業務運営報告がなされていると思います。新銀行東京の経営陣が知事に報告する機会があるわけです。先ほど申し上げたように、都知事選挙の前までは新銀行東京は、実態以上に決算をよく見せていた。そして、都知事選挙が終わってからやっと本当の実績が出てきた。このことを新銀行東京の経営陣は知事に何と報告していたのでしょうか。
 先ほど申し上げたように、調査報告書の二二ページによると、収益が全く上がらないばかりか、毎月損失だけが拡大する状況が継続していたのであると記載があります。平成十八年暮れの中間決算報告の際、そして、平成十九年夏に決算の報告があった際、どのような報告がなされたのか。新銀行東京から知事に業務運営報告があったはずだと思いますが、局長も同席されたはずと思います。局長、お答えください。

〇中村金融監理室長
 平成十八年度中間決算については、本業からの収入が不十分、重い経費負担、不十分な資金運用などの経営の圧迫要因が示され、これに対し、十八年度下期に、融資、保証による収入の確保、経費の削減、資金の効率的な運用などの対策を打つことにより、下期には大幅な収益改善がなされるとのことが新銀行東京から都に報告されており、知事に対しても、新銀行東京から報告がなされたところでございます。
 また、十八年度決算につきましては、計画を大幅に上回る損失の発生に対し、経営体制を強化するとともに、不良債権の抑制、経営効率性の向上、営業力の強化を柱とする新たな経営計画を策定する旨、都に対して報告がなされてございますが、新銀行東京から知事へ直接報告は行われなかったところでございます。

〇佐藤委員
 今お伺いしたのは、るる私がお話をしていきましたが、新銀行東京は半期の決算においては、実態以上に数字をよく見せていた。しかし、通期の決算、都知事選挙が終わってからは、実態が出てきたわけです。そして、先ほど、この調査報告書にもありますが、想定のデフォルト率というものを使っていたのを、通期の決算では実績のデフォルト率に変えた。この変化というものを、東京都は報告を受けていたのかどうか。そして、東京都はそれに対してどういう対応をとっていたのか。また、それを知事がご存じであったのかどうか。これを確認させていただきたかったわけですが、お答えがないわけですから、引き続きお伺いさせていただきます。
 では、伺いますが、新銀行東京の経営が危機的な状況にあるというのは、いつごろ知事に伝わったんでしょうか。

〇中村金融監理室長
 都としては、平成十八年度中間決算時には、経常損失が年度計画の百八十億円に対し百五十四億円となり、一層の経営改善が必要となった状況を認識し、経営の健全性確保と中小企業支援の充実に向け、経営計画の抜本的な見直しを新銀行に要請したところでございます。このことは、当然ながら、知事にも報告してございます。

〇佐藤委員
 私はこれからも議会でお伺いしなければいけないと思ってはおりますが、新銀行東京の決算が適切に出されていなかった。そして、出されていなかったことについて東京都がどういう取り組みをしたのか。また、さまざまな細かい点についてもお伺いしていきたいと思います。
 そして、伺いますが、なぜ知事は、危機的な状況にあったと聞いていたわけですが、議会では、追加出資は考えていないといった、経営は大丈夫ともとれる趣旨の発言を繰り返していたんでしょうか。お答えください。

〇中村金融監理室長
 知事が平成十九年第四回定例会において追加出資は考えていないと答弁した時点では、新銀行東京は、現経営陣のもとでデフォルト圧縮を最優先とする経営改善に取り組む一方で、都からの出資を前提としない、民間金融機関等の提携による再生等を目指し、さまざまな交渉を進めていたところでございます。しかし、いずれも調うまでには至らなかったという状況でございました。
 このため、平成二十年二月に、都としては、既存融資先とその従業員、家族、預金者などへの影響を考え、新銀行東京が再建計画を一刻も早く軌道に乗せ、財務体質の強化を図ることが必要であると判断し、苦渋の選択ではありましたが、銀行からの追加出資の要請に応じて平成二十年第一回定例会に追加出資を提案したものでございます。

〇佐藤委員
 また、新銀行東京に関して、知事の決定なしで、産業労働局が経営等を指示したことはあるのかどうか、お答えください。

〇中村金融監理室長
 新銀行東京の経営は、当然のことながら同行の経営陣が行うものであり、また、外部調査報告書でも述べられているように、銀行にはその公共的性格にかんがみ経営の独立性が求められ、新銀行東京においても、株式会社としての所有と経営の分離が図られているところでございます。
 株主としての立場から、都として意見や要望は伝えることはございますが、銀行法等の制約の趣旨にもかんがみ、産業労働局が新銀行東京の経営について指示をしたことはございません。

〇佐藤委員
 今回、前回の経営報告と比較して融資がふえておりますが、そのうち制度融資はどれくらいなのか。そして、この景気が厳しい時期に今の新銀行東京の財務内容でリスクをとることができるのかどうか、私は疑問を持ちます。要管理債権も増加しており、景気が厳しい中、新銀行東京が黒字化するめどが立つとは考えにくいですし、これまでの累積損失を支払うことができるとは思えません。事業譲渡や株式の売却を可能な限り模索して、それが無理であれば、都は株主として、株主総会で新銀行東京解散の提案をすべきと考えますが、見解を伺います。

〇中村金融監理室長
 まず最初に、お尋ねの制度融資の実績につきましては、個々の金融機関における営業上の情報に当たるため公表してございません。
 次に、新銀行東京は、現在、再建に向けて懸命な努力を続けており、平成二十年度第三・四半期決算においては、純損失や純資産などについて再建計画を上回る内容となってございます。何よりも今大事なことは、新銀行東京の再建に向けた経営改善の取り組みを着実に進めることであると考えてございます。したがいまして、都として解散を求める考えはございません。

〇佐藤委員
 最後に一言申し上げておきますが、私たちは、東京都の仕事の仕方というものを一つ一つ確認していかなければいけません。というのは、納税者の方々に、どういう形で税金を使っているか、説明をしなければいけないわけです。私も新銀行の質問を通じまして、いろいろお話を伺ってまいりましたが、やはり私たち東京都の議会にもご説明をいただけない。もちろん、それは東京都の都民の皆さんに対してもご説明がないわけです。結局、それは税金の使い方として、都民の皆さんが納得できるものかどうか、私は大変に疑問を持っています。
 今回の融資の支援策も同じでありますが、金融の仕事というものは、営業上の秘密等がありまして、なかなか開示することができない。開示することができないがゆえに、厳しい体質、そして、厳しい監理体制が求められるわけです。今回の新銀行東京の問題でもありますが、私たち都議会に対してできる限りの情報を開示していただきまして、私たちも、この新銀行東京の問題、いろいろと明らかにしていきたいと思っております。
 やはり一つ私が思いますのは、失敗の検証、なぜこのように至ってしまったか、問題が大きくなったか、これを一つ一つ確認しなければ、また同じような問題が起きてしまうのではなかろうかと思っております。今後も、新銀行東京の問題でありますが、ご質問していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上で質疑を終わります。

〇前田次長
 ただいま委員から、ご意見でございましたが、情報開示等についてのお話がございました。金融機関ということで、新銀行東京に限らず、いろいろな制約があるというのは事実でございます。しかし、日本の体制では、そうした制約があるゆえに、各金融機関の個別の監督は国の金融庁が一元的に担っているところでございます。
 また、先ほど山口委員のご質問にもお答えをいたしましたけれども、私ども、銀行法の制約とか、新銀行は競争上の地位にあるということを考慮いたしますけれども、可能な限りの説明なり情報提供はこれまでもやってきておりましたし、これからも行ってまいります。
 なお、先ほど委員の質問で、新銀行の経営が危機的になったのを知ったのはいつかというのに関連して、ちょうど平成十九年春に行われました都知事選との関係をお話しになりましたが、私どもが新銀行の十八年中間決算を知り、年度で百八十億の赤字の見込みが半期で百五十四億にもなった、大変な事態だということで、いろいろと新銀行に意見を述べたり注文をつけたのは、十八年十二月の時点でございます。知事の選挙は十九年四月だと思いますので、東京都としては、知事選に関係なく、中間決算が明らかになった時点で必要な行動はとっております。知事選を意識したということは全くございません。

〇佐藤委員
 今次長からお話がありましたから、一言申し上げておきますが、私が今回申し上げたことは、財務の内容が悪かったとかいうことでなくて、実態以上に新銀行が財務内容をよく見せていた。そして、時期の問題ということを申し上げたわけです。産業労働局の取り組みとしていろいろ注文をつけたということは理解しておりますが、そこは確認させていただきたいと思います。
 以上です。
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