政 策 >>> 経済港湾委員会・2008/12/11
◆「新銀行東京」問題について、経済港湾委員会にて質問しました。

〇佐藤委員
 今回、報告事項になっている、新銀行東京に関連して幾つか伺います。
 概要版だけが示されて、いまだ本編が開示されていない調査報告書ですが、どこの法律事務所がつくったのか、お答えください。

〇中村金融監理室長
 本年三月に新銀行東京が発表した調査報告書は、新銀行東京の新銀行東京調査委員会が取りまとめたものでございます。
 この調査委員会は、平成十九年七月に、前代表執行役である森田氏を委員長に、弁護士一名、執行役一名の三名で設置され、調査を開始いたしました。その後は、退任した森田氏の後を津島現代表執行役が引き継ぎ、取りまとめたものでございます。

〇佐藤委員
 現在、新銀行東京の外部調査を行っていると聞いておりますが、そのメンバーを伺います。また、そこにはどこの法律事務所が入っているのでしょうか。

〇中村金融監理室長
 新銀行東京の経営悪化を招いた経営判断など、旧経営陣の責任追及については、新銀行東京が牛島弁護士に委託して調査を実施してございます。

〇佐藤委員
 調査報告書の作成にかかわった法律の専門家として、堀弁護士や、現在進行中の調査委員会には牛島弁護士の名前があります。新銀行東京では幾つの法律事務所と取引をしていて、幾らの経費を支払っていたのか、またそれぞれの法律事務所の名前を伺います。お答えください。

〇中村金融監理室長
 新銀行東京は現在、専門分野別に九つの法律事務所と顧問契約を締結してございます。
 なお、個々の法律事務所の名称や経費につきましては、新銀行東京と法律事務所との間で契約による守秘義務があることから、都も承知してございません。

〇佐藤委員
 なぜ答えることができないんでしょうか。守秘義務契約は、新銀行東京と法律事務所との相対の取引であり、契約そのものを結んでいたかどうかといった法律事務所の名前について、開示を拒む法律的な根拠はありません。法的な根拠を伺います。

〇中村金融監理室長
 民民の契約につきまして、一般に開示しなければならない法律的根拠があるとは思えませんけれども、新銀行東京に限らず、一般に企業は信用を背景に事業を行ってございまして、相手方の承諾を得ずに取引先の公表を行うことは信義則に反し、商取引上あり得ないことと存じます。

〇佐藤委員
 新銀行東京は純粋な民間団体とはいえません。新銀行東京は、都民の税金を出資してつくった報告団体であり、経営内容や運営状況についてこれだけ議会で議論されている団体です。ですから、積極的に情報公開をして、都民に説明する義務があると思います。
 都民の税金だけ出して、後はチェックができないというのでは、税金の使い方として問題がありますし、これだけ多くの税金を使い、追加出資をしても、なお経営監視ができないということでは、都民は納得いたしません。
 九つもの法律事務所と契約しているということですが、新銀行東京はこれまで、幾つの裁判を起こしたり起こされたりしているんでしょうか。お答えください。

〇中村金融監理室長
 訴訟に関する事柄につきましては、当然ながら新銀行東京では明らかにしてございません。

〇佐藤委員
 多くの裁判を抱えているわけではないのに、九つもの法律事務所と契約する必要があるのでしょうか。その理由を伺います。

〇中村金融監理室長
 銀行業務にありましては、法令遵守、いわゆるコンプライアンスが非常に重視されております。他の銀行と同様、新銀行東京では、銀行法や人事、労務、訴訟など、それぞれの訴訟分野に応じて、個別に法律事務所と顧問契約を結ぶ必要があると考えてございます。

〇佐藤委員
 法律事務所との契約は、新銀行東京のどの部署が行っていたんでしょうか。お答えください。

〇中村金融監理室長
 法律事務所との契約は新銀行東京として行っており、銀行内部の意思決定に関することにつきましては、都としては承知してございません。

〇佐藤委員
 この規模の企業で、これほど多くの法律事務所を使うことには疑問を持ちます。
 法律事務所との契約を担当していた役員はだれでしょうか。お答えください。

〇中村金融監理室長
 繰り返しになりますが、法律事務所との契約は新銀行東京として行っており、銀行内部の意思決定に関することは承知しておりません。

〇佐藤委員
 九つもの法律事務所を使っていたわけですが、新銀行東京の運営にはさまざま疑問が残る点が多々あります。これについては、今後の議会でも議論をしていくべきだと考えております。
 続きまして、都と新銀行東京は定期的に連絡会を開催しておりました。連絡会の出席メンバーを伺います。

〇中村金融監理室長
 株主連絡会は、平成十七年七月から平成十八年七月までは金融監理担当部長及び監理課長、その後、平成二十年三月までは金融部長及び監理課長が、平成二十年四月以降は、金融監理室長、金融支援担当部長及び監理課長がメンバーとなってございます。

〇佐藤委員
 知事と局長は連絡会の出席メンバーではなかったわけですね。
 それでは、局長に伺いますが、調査報告書ですが、局長は、いつどこで読んだんでしょうか。お答えください。

〇佐藤産業労働局長
 調査報告書の授受につきましては、後藤雄一都議会議員が提起をされております情報公開請求に係る裁判で実は係争中でございまして、この場でお答えすることは差し控えさせていただきます。

〇佐藤委員
 局長は連絡会に出席していないため、それ以外の場所で調査報告書をもらったと思われますが、そこに知事は同席していたのでしょうか。また、新銀行東京からはどなたが説明に来ていたのでしょうか。お答えください。

〇佐藤産業労働局長
 先ほどもお答えしたとおり、裁判係争中でございますので、この場でのお答えは差し控えさせていただきます。

〇佐藤委員
 なぜ、わざわざ書類を返す必要があったのでしょうか。再度お答えください。

〇佐藤産業労働局長
 その件につきましては、既にさきの決算特別委員会でもお答えしたところでありますけれども、調査報告書は、旧経営陣の責任を追及する場合に重要な資料でありまして、個人が特定される可能性がある情報が含まれているということから、速やかに返却したところであります。

〇佐藤委員
 引き続き局長に伺いますが、なぜ連絡会に出席して、その場で説明を聞かなかったのでしょうか。そのようないわゆる非公式の場所で新銀行東京の経営者から説明を受けたことは、今まで何回ほどあったのでしょうか。お答えください。

〇佐藤産業労働局長
 調査報告書の性格からいきますと、先ほどもお答えしたとおりでありまして、株主連絡会、今、委員のご指摘がありました連絡会ですけれども、ここで報告する内容のものではないと新銀行東京が判断したものであるというふうに考えます。そもそも私は株主連絡会のメンバーでもありませんし。
 ただ、銀行との関係でいいますと、連絡会以外の場でも、必要に応じまして新銀行東京から私が説明を受けることは、当然のこととしてございます。

〇佐藤委員
 続きまして、新銀行東京に関して、過去の事件についても伺います。
 二〇〇七年七月に、新銀行東京の融資をめぐって、決算粉飾の疑いで逮捕者が出ました。事件の概要と捜査結果について報告をいただきたいと思います。

〇櫻井金融支援担当部長
 平成十九年七月に新銀行東京から受けた報告によれば、大田区内の中堅塗料販売会社でございます恒和化学工業株式会社の元役員三名が決算書を粉飾し、新銀行東京から不正に約三千七百万円をだまし取ったというものでございます。
 このことにつきまして、新銀行東京は六月に告訴いたしまして、その後、同社役員三名が詐欺容疑で逮捕されたと聞いているところでございます。

〇佐藤委員
 この事件の結果、新銀行東京は幾らの損失をこうむったのでしょうか。

〇櫻井金融支援担当部長
 本件につきましては、現在も法的手続が継続中でございまして、新銀行東京はその内容について明らかにしてございません。

〇佐藤委員
 この事件を引き起こした恒和化学という企業は、ダイフレックスホールディングスを引受先として、事業譲渡の契約をしております。事業譲渡先から損失額を補てんされたということはなかったのでしょうか。お答えください。

〇櫻井金融支援担当部長
 まず、繰り返しになってしまうんですが、本件につきましても、現在、法的手続が継続中であるということでございます。
 なお、恒和化学工業株式会社でございますが、平成十八年九月二十八日に民事再生法の適用を申請いたしまして、平成十九年一月十七日に、東京地方裁判所から、株式会社ダイフレックスホールディングスに事業譲渡の許可決定がなされたと承知しているところでございます。

〇佐藤委員
 この事例は三人の共謀による決算の粉飾ですが、新銀行東京は、どういう経過で恒和化学に融資をすることになったのでしょうか。お答えください。

〇櫻井金融支援担当部長
 新銀行東京は、この事件ではむしろ被害者という立場でございますが、個々の融資案件の内容につきましては、都は知り得る立場にございません。

〇佐藤委員
 都は把握していないとのお答えではありますが、新銀行東京で何が行われていたのかを詳細に調査する必要があるのではないかと思います。都が調査する立場にないということであれば、司法当局に捜査の依頼をするべきではなかろうかと思います。
 いろいろとお伺いいたしましたが、新銀行東京としては、経営戦略にかかわる事項に該当するとの経営判断から明らかにしていないという理由なのでしょうが、ほとんど答えが返ってきません。これでは、金融監理室が経営のチェックをするという役割が果たされておりませんし、我々議会もチェックができないわけです。
 都民の税金だけ出して、後はチェックができないというのでは、税金の使い方として問題がありますし、これだけ多くの税金を使い、追加出資をしても、なお経営監視ができないということでは、都民は納得いたしません。
 今後も、質疑を通じて、新銀行東京の実態と責任の所在を明らかにしてまいります。
 続きまして、制度融資について伺います。
 現在、日本経済が陥っている危機的な状況に対処していかなければなりません。その対策の一つである緊急融資の状況ですが、本年十月三十一日に緊急融資が始まったわけですが、十一月末までの実績については、先ほども答弁が出たように、制度融資の経営緊急融資の保証実績はおおよそ七百六十億円ということです。
 緊急融資は、多くの中小企業が年を越せるかどうかの危機的な状況を乗り切るためには、欠かせない重要な取り組みといえます。従来の制度融資に加えて、責任共有制度が実施され、その後、責任共有制度が事実上凍結されて、緊急融資が実施されたわけですが、これまで制度融資がどういった役割を果たしてきたかも確認させていただきたいと思います。
 平成十九年度の制度融資の実績を、無担保、有担保ごとに金額と割合を教えてください。

〇保坂金融部長
 平成十九年度におきます東京信用保証協会の保証実績について、個々の企業からの担保の徴求状況を申し上げますと、保証実績につきましては、一兆九千五百二十六億円のうち、無担保は一兆七千二百六十三億円で八八%、有担保は二千二百六十四億円で一二%でございます。

〇佐藤委員
 無担保と有担保を合計すると、平成十九年度では約一兆九千五百二十六億円の実績があるわけですね。
 では、平成十五年度の制度融資の実績はどうでしょうか。お答えください。

〇保坂金融部長
 平成十五年度におきます東京信用保証協会の保証実績のうち、先ほどと同じ条件で申し上げますと、一兆七千三十六億円のうち、無担保につきましては一兆二千百二億円で七一%、有担保は四千九百三十四億円で二九%でございます。

〇佐藤委員
 無担保と有担保を合計すると、平成十五年度では約一兆七千三十六億円の実績があるわけですね。つまり、都では、制度融資に関しては無担保の取扱割合が多く、平成十五年度の時点でも、今お答えいただいたように、約一兆二千百二億円の融資実績があるわけです。これだけの実績があり、なぜ新銀行東京が必要であったのでしょうか、疑問を持ちます。
 それでは、平成十七年度に東京都信用保証協会における保証申し込みと承諾されなかった数を教えてください。

〇保坂金融部長
 平成十七年度における東京信用保証協会の保証実績について、個々の企業に対する保証状況を申し上げますと、保証申し込みは約十六万六千件、承諾数は約十五万六千件で、差し引きは約一万件でございます。

〇佐藤委員
 それでは、同じく平成二十年度に東京都信用保証協会における保証申し込みと承諾されなかった数について教えてください。

〇保坂金融部長
 平成二十年度上半期におきます東京信用保証協会の保証実績について、先ほどと同じ条件で申し上げますと、保証申し込みは約六万八千件、承諾数は六万二千件で、差し引きにつきましては約七千件でございます。

〇佐藤委員
 平成二十年度上半期で承諾されなかった数は約七千件に上り、今回の緊急融資も大きな役割を果たすのではないでしょうか。
 先ほど伺ったように、制度融資で無担保の実績を見ると、平成十五年度には約一兆二千百二億円だったのが、平成十九年度には約一兆七千二百六十三億円まで増加しております。さらに制度融資の無担保の拡充に取り組むべきではありますが、現在は緊急融資を実施しているわけですから、従来、制度融資を使えなかった経営状態の企業も融資を受けることができます。
 平成十九年度の制度融資において、無担保の件数実績を教えてください。

〇保坂金融部長
 平成十九年度の東京信用保証協会の保証実績において、個々の企業に対する無担保の保証件数は約十五万二千件でございます。
 なお、従来、制度融資を使えなかった経営状態の企業も融資を受けることができるとのお話でございますが、制度融資は信用保証制度の枠内で運用されているものでありまして、あくまでも企業の個別経営実態を勘案して保証審査を行い、将来の返済可能性を見通せる場合には保証が実行されているものでございます。したがって、無制限に無担保保証を拡大するというものではございません。

〇佐藤委員
 新銀行東京の平成十九年度の融資実行件数が千五百七十件でありますから、いかに供給できる資金量が違うかということがわかります。
 また、新銀行東京の存在意義の一つは、債務超過企業への融資でした。しかし、東京信用保証協会は本年の三月三十一日に、債務超過に陥っている中小企業を支援するため、デット・デット・スワップを全国の保証協会で初めて実施したと発表しました。債務超過でも将来性のある企業に対しては、多様な手段を活用して再生を支援するわけです。つまり、新銀行東京をつくる目的の一つでもあった債務超過企業への融資も信用保証協会が実施しているわけですから、新銀行東京の存在意義もますます希薄になっているのではないでしょうか。
 今、申し上げましたように、平成十九年度の制度融資の無担保の実績が約十五万二千件、同年の新銀行東京の融資実行件数が千五百七十件でありますから、約九十七倍もの開きがあるわけです。
 無担保の制度融資を拡充したり、今申し上げた債務超過企業や赤字企業に対する融資を工夫すれば、中小企業に対して十分資金供給できるのではないでしょうか。都の見解を伺います。

〇保坂金融部長
 制度融資は、信用保証を前提としておりまして、信用保険法などに基づく信用補完制度に支えられてきております。無担保、有担保の取り扱いや信用保証協会の保証審査のあり方など、この制度の枠内で設計され、運用されておりまして、今後とも適切に運営されていくものと認識しております。
 また、本年三月に東京信用保証協会が実施いたしましたDDS、デット・デット・スワップでございますけれども、今、先生が事例を挙げられまして、債務超過企業への融資も信用保証協会で実施しているため、新銀行東京の存在意義も希薄になっているということでございますが、このDDSにつきましては、東京都中小企業再生支援協議会などの公的な再生支援機関が関与した再生計画でございまして、そういった公的な機関が策定することが必要でございます。現時点での実績は、ご指摘の事例の一件のみにとどまってございます。
 なお、新銀行東京の融資は、制度融資とは仕組みや役割を異にするものでございます。

〇佐藤委員
 緊急融資を実施したことにより、十分な資金供給を行っており、新銀行東京の経営体力も厳しいため、今回の不況において新銀行東京の活躍する場面というのはほとんどないでしょう。今後も、無担保の制度融資を拡充すれば、十分資金供給できるのではないでしょうか。
 税金を大切に使い、中小企業に資金供給するためにも、緊急融資が終わった後も制度融資の無担保の扱いをふやしていくべきと考えますが、見解を伺います。

〇保坂金融部長
 今回の緊急保証制度につきましては、現在の未曾有の景気の悪化、金融危機に緊急的に対応するため、時限的な措置として実施されているものでございます。
 この緊急保証制度を含め、制度融資は、先ほど申し上げたとおり、信用保証を前提として、信用保険法などに基づく信用補完制度に支えられてございます。
 無担保、有担保の取り扱いや信用保証協会の保証審査のあり方などは、この制度の枠内で設計され、運用されているところでございます。無制限に無担保部分を拡大すればよいということではないというふうに認識してございます。

〇佐藤委員
 無担保分を拡大することについては戸惑いがあるということではありましたが、中小企業を支援するために、ちゅうちょすることなく無担保分の拡大をするよう要望しておきます。
 新銀行東京は、制度融資を受けることができない企業を顧客にしようと考えておりましたが、大手金融機関が中小企業向け融資に力を入れたことと、制度融資のハードルが下がって、無担保の融資実績も増加しております。先ほど伺ったように、制度融資の実績は新銀行東京よりもはるかに大きいわけです。
 制度融資は、経営状態の厳しい企業への融資にも取り組んでおり、債務超過や赤字企業にも融資を行うようになってきております。工夫の余地もありますが、さらに債務超過や赤字企業にも融資をしていただくよう、工夫をしていただきたいと要望しておきます。
 緊急融資を実施したことで、従来、制度融資を使えなかった経営状態の厳しい企業も融資を受けることができるようになっており、新銀行東京は貸し出す経営体力がないこともあり、存在意義は薄くなっております。
 緊急融資を実施するのは一時的な制度といわれるかもしれませんが、緊急融資をとめるほど景気がよくなってしまえば、中小企業の資金需要も減り、さまざまな金融機関が積極的に融資を行いますから、新銀行東京を頼ることもなくなるでしょう。今回の不況では、何ら新銀行東京の出番がない状況であります。
 新銀行東京の存在意義は日に日に薄れておりますので、都民にとって負担の少ない形で一刻も早く撤退の道筋をつけるよう申し上げて、私の質疑を終わります。
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