政 策 >>> 経済港湾委員会・2010/06/11
◆新銀行東京についてなど、経済・港湾委員会にて質問しました。

〇佐藤委員
 今回、報告事項になっております新銀行東京について伺います。
 先ほど田中委員も取り上げましたが、都債の引き受けについてお話しさせていただきたいと思います。
 平成二十二年四月二日の日経新聞で、新銀行東京が都債引受機関になったことと、中小金融機関が引き受けるのは異例と報じられておりましたので、内容を確認してみました。新銀行は、平成二十二年一月に、シンジケートのメンバーとして都債を引き受けておりました。その実績をもって、新銀行東京が希望して都債引受機関になったわけです。財務局にも確認いたしましたが、各金融機関に声をかけたところ、新銀行東京が都債引受機関になることを希望したとのことです。
 今回、都債引受機関になったことで、毎月約三億円、年にして約三十六億円の都債を引き受けることになったようです。国債と比べて、都債の方が利息が高く、BIS規制においても、自己資本比率を算出する際にもリスクがゼロであることから、収益をふやすたびに保有している国債の一部を都債に振り向けることは経営判断としては妥当かもしれません。
 平成二十二年四月に都が発行した十年債の利回りは一・四〇二%であり、その時点で十年国債の金利が一・三六七%ですから、金利差は〇・〇三五%です。
 また、平成二十二年五月発行の十年都債の利回りは一・三二五%であり、国債は一・三%です。つまり、金利差は〇・〇二五%です。
 先ほど申し上げたように、新銀行は年間約三十六億円の都債を引き受けることになるわけです。都債と国債の金利差が〇・〇三%あると仮定すれば、年間で約百万円の収益増につながります。
 収益をふやすという経営判断からすると、国債よりも都債を購入するということは妥当な選択といえるのかもしれませんが、株主である東京都絡みの仕事がふえるということはいかがなものかと思います。これまで、新銀行は都絡みの仕事をふやしてきました。東京都絡みの仕事で収益をふやすよりかは、地道に中小企業支援に取り組むことが必要なのではないでしょうか。
 次に、新銀行の資金調達についてお話しさせていただこうと思います。
 平成二十一年三月末の預金は、約三千三百五十八億円でした。その後、一年で約千三百億円の預金が減少しまして、平成二十二年三月末は、約二千億円の預金となっております。
 五月二十一日、決算の記者会見において、新銀行の経営陣は、今後、満期を迎える定期預金が約一千二百五十億円あるということを述べております。平成二十二年三月末時点の預金総額は約二千億円余りですから、約一千二百五十億円の定期預金の大半が解約された場合、経営や自己資本比率にも影響を及ぼすことになるでしょう。
 現在、新銀行東京では、スーパー定期預金の特別金利キャンペーンを実施しておりますので、何点か確認させていただこうと思います。
 今回のキャンペーン定期の内容はといいますと、預金保険の対象商品であり、元本保証ということをPRしております。期間は五月十日から十月八日までであり、五年定期の金利が〇・九%、六カ月ごとの複利運用とのことです。
 また、三年定期の金利が〇・八%、六カ月ごとの複利運用とのことです。
 そして、一年定期の金利が〇・六五%とのことです。
 まず伺いますが、今回の特別金利キャンペーンを実施いたしまして、新銀行東京は幾ら預金を集める計画であるのか、お答えください。

〇中村金融監理室長
 新銀行東京の平成二十一年度決算では、預金残高は二千八十九億円でありますが、旧経営陣時代のキャンペーン定期の比重が高くなっております。
 今年度、このうち一千二百五十億円の定期預金の満期が順次到来いたしますが、中小零細企業支援を安定的に行っていくため、そのうち六割程度の継続を目指していると聞いてございます。

〇佐藤委員
 六割というと、約七百五十億円程度になるんでしょうか。継続状況については、注意深く見守る必要があると思います。もともと新銀行の開業時にキャンペーンの定期をされて、ほかの金融機関よりも金利が高いから預けた顧客が多かったわけだと思うんです。ほかにも金利が高いところが現在あるわけですから、どれほど競争性があるのか疑問が残ります。
 開業時のマスタープランには、開業後、第三期までに個人預金が百万口座、預金残高約一兆二千億円という過大な預金口座目標等の記載があったわけですが、現時点では、都はどれくらいの預金規模が現在の新銀行にとって適切だと考えているのでしょうか。
 また、都は、新銀行東京に対して預金をふやすよう、株主として指導をしたことはあるのでしょうか、あわせてお答えください。

〇中村金融監理室長
 都といたしましては、新銀行東京が中小零細企業支援を行いながら着実に再建を進めることが重要であると考えております。
 新銀行東京としては、今後とも再建を進めつつ、中小零細企業支援を安定的に行っていくため、必要な預金規模を確保しなければならないという経営判断がありました。その内容の説明を受け、妥当と判断したものでございます。
 なお、当局は、預金をふやすよう指導したことはございません。

〇佐藤委員
 新銀行は、経営不振に陥ってから、キャンペーン定期預金の募集は取りやめていたはずですが、募集を再開したのは、いつの、どういった経営判断であるのか、また、何がきっかけであるのか、お答えください。
〇中村金融監理室長 繰り返しになりますが、新銀行東京では、今後とも再建を進めつつ、中小零細企業支援を安定的に行っていくため、必要な預金規模を確保することとしたものであり、都はそうした経営判断を尊重したものでございます。
〇佐藤委員 開業時に集めた預金が流出しているために、預金流出を防ぐという目的で今回のキャンペーン定期を実施しているのかもしれませんが、平成二十二年四月十三日の都政新報のインタビューに対して、新銀行東京の代表取締役社長の寺井宏隆氏は、現在、預金が超過状態なので、有価証券運用をリスク管理しながら収益を稼がせていただいていると答えております。
 社長が、現在、預金が超過状態であるという認識を持っているのに、なぜスーパー定期預金の特別金利キャンペーンを実施しているのか、都は、新銀行からどういった報告を受けているのか、お答えください。

〇中村金融監理室長
 ご指摘の新聞記事は、新銀行東京が、預金を貸し出しとともに有価証券の運用にも有効に活用して再建に取り組んでいるということを示したものでございまして、そういった意味での預金超過というものは、他の金融機関でも同様の状況でございます。

〇佐藤委員
 預金超過はほかの金融機関でも同様だとおっしゃったわけですが、ほかの金融機関と違って、新銀行は再建中であるわけです。ですから、コストの圧縮をしていかなければならない。預金超過があれば、余分な利払い負担があるということを意味いたしますから、慎重な判断が必要なのではないでしょうか。
 平成十七年の開業時より、一貫して新銀行は中小企業融資をふやすことができず、運用先に困っていたわけです。
 先ほど、新銀行東京が都債引受機関になったことについて触れましたが、確かに都債などに債券投資すれば、利回りが年一・三から一・四%程度あります。今回の特別金利キャンペーン定期の金利よりも高くなっているわけです。
 しかし、だからといってすぐに黒字になるというわけではありません。固定費を上回る収益を出すことが必要であるわけです。このことは、寺井社長も、固定費というコストがかかって、これを賄う収入を得ないと赤字が出てしまうと都政新報のインタビューで認めております。
 また、先ほど述べた都政新報で、寺井社長は、創業赤字をできるだけ出さないようにするための有価証券運用の資金でもあるので、経営の大きな課題の一つとして掲げていると述べています。
 社長みずから、新銀行の預金は創業赤字をできるだけ出さないようにするための有価証券運用の資金でもあると述べているわけです。通常、銀行の経営者であれば、預金は融資の資金であると述べるのが健全な姿ではないでしょうか。寺井氏のように、預金が有価証券運用の資金でもあるという認識はいかがなものでしょうか。
 経営再建中とはいえ、都議会民主党は反対いたしましたが、四百億円もの追加出資をしたわけです。債券投資を経営の柱にしている新銀行東京に、何の存在意義があるのかと思います。
 株主として、都は、預金が有価証券運用の資金でもあるという寺井氏の認識について、どう認識をしているのでしょうか。現在、経営再建中なので、預金が有価証券運用を中心に使われる経営でも構わないという認識を都は持っていらっしゃるんでしょうか、お答えください。

〇中村金融監理室長
 銀行がその業務の一つとして、預金者から預かりました預金を初め、その保有する資金を有価証券などで運用することは一般的なことでございます。
 新銀行東京は、現在、再建中でありますが、みずからの体力の範囲内で、可能な限り中小零細企業の支援を行っております。
 なお、ただいま委員から、預金が有価証券運用の資金でもあるという認識はいかがなものかという発言がございましたけれども、銀行業務には、預金業務のほかに資金運用業務などもあるという点はぜひご理解願いたいと思います。

〇佐藤委員
 四百億円の追加出資の意味というものは、中小企業を守るためでもあったわけです。経営再建中であるから、中小企業融資だけではなく有価証券運用が中心になっても仕方ないとおっしゃっているのでしょうが、中小企業融資を通じて利益を上げる努力をやはりしていくべきではないのでしょうか。新銀行の主体的な経営を尊重するということはわかりますが、やはり新銀行が経営不振に陥ったのは、産業労働局の経営監視が十分になされていなかったという一面もあるわけですから、今後も注意深く、やはり経営の監視と、そして経営に対するスタンスに、東京都がはっきりと物をいっていかなければいけないのではないかと私は思います。
 新銀行創設を手がけた石原知事の任期も残り一年を切っております。新銀行東京も、事業譲渡など出口戦略を議論するべき時期に来ているのではないでしょうか。
 六月八日の我々都議会民主党の代表質問において、外国資本を含めて、他の金融セクターとのかかわりがあります、それゆえに、その性格上お答えできるものではありませんという答弁がありましたが、石原知事も再三にわたって、セカンドステージについて言及をしてきたわけです。
 これまで都は、平成二十三年度には再建計画が終わると発表しております。都の説明では、経営の再建を果たしてから、セカンドステージの展開があるということであったかと思います。経営再建に自信があるということであれば、経営再建が終わる前に検討に入る場合もあるのではないかと思います。
 そこで伺いますが、いつセカンドステージの検討に入り、内容を発表するのはいつの時期になるのでしょうか。仮に今年度黒字が出るということであれば、再建計画の次の段階であるセカンドステージに移る可能性もあるかもしれないわけですが、セカンドステージの内容を今年度末には発表するのでしょうか、お答えください。

〇中村金融監理室長
 新銀行東京は、平成二十三年度までを期間として、現在再建に取り組んでおり、中小零細企業支援という本来の役割を果たせるよう、再建を着実に進めていくことが何よりも重要であるというふうに考えております。

〇佐藤委員
 お答えいただけないということではありますが、新銀行東京は、先ほどから申し上げているように、融資で利益を上げることができていない。融資、貸出能力が、いまだ十分育っているとはいいがたい状況にあるわけです。そして、いまだ実質業務純益は赤字であるわけですが、新銀行東京の再建のめどが立つようであれば、事業譲渡など含めた、新銀行からの撤退の手法を議論するべきではないかと思います。
 大株主として、株主総会で事業譲渡の準備をするように提案をすべきではないかと考えますが、都として、株主総会でどういった発言をするつもりでしょうか、お答えください。

〇中村金融監理室長
 新銀行東京の再建計画は、平成二十三年度までを目標に取り組んでいるところでございます。計画前半の二年間が経過しましたが、新銀行東京は、みずからの体力の範囲内で、可能な限りの中小零細企業への支援を行いながら、平成二十一年度通期で初の黒字を計上し、現経営陣のもとで、再建を着実に進めております。
 そうした観点から、次の株主総会におきまして、事業譲渡の準備を提案するということは全く考えておりません。

〇佐藤委員
 次の株主総会でなくても、近々、都として検討に入っていただきたいと要望はさせていただきます。
 通期で黒字を計上したといっても、いまだ実質業務純益では黒字を計上していない状況です。また、新銀行の黒字は、日銀の低利の資金を債券に投資して得た運用益と、信用コストが圧縮された結果、貸倒引当金からの戻り益で辛うじて黒字が出ているような経営内容ですから、いまだ経営の立て直しができたとはいえない状況ではないかと思います。
 また、中小企業融資を拡大することなく、債券の運用益をふやそうとしている新銀行東京に存在意義があるのか疑問を持っております。
 また、黒字になったからといっても、過去の経営の問題が消えるわけではありませんので、事実解明と責任の所在をはっきりさせるため、この新銀行東京の問題については、今後も取り上げさせていただきたいと考えております。
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