政 策 >>> 経済港湾委員会・2011/03/02
市場移転関連予算として計上されている基本設計・実施設計の業者選定等について

〇佐藤委員
 市場の移転関連予算のうち、基本設計の業者選定等について伺います。
 今回の業者選定では、技術提案書といった書類を一月七日までに出すことになっており、その後、二月上旬にヒアリングを実施して、その結果を二月中旬に通知すると記載してあります。そして、契約の締結については、特定された技術提案者の参加と見積もり合わせを行った後、契約を締結すると記載されています。
 今回の業者選定は、プロポーザル方式で業者を選ぶということですが、入札情報サービスの発注予定表を見ると、三月三日に開札を行うという内容になっております。
 なぜプロポーザル方式での業者の選定方法になったのでしょうか。また、今回の選定方法では、どのようにして契約金額を決定するのでしょうか。あわせてお答えください。

〇砂川施設整備担当部長
 豊洲新市場の基本設計につきましては、この先五十年を見据え、首都圏の基幹市場として求められる機能を備えた施設の設計を、限られた工期内に確実にまとめていく必要がございます。
 また、建設費、維持管理費のコスト縮減、工期短縮、温室効果ガス削減など環境対策、良好な景観形成などについて有効な対応策を検討していく必要がございます。
 このようなことから、基本設計の委託に当たっては設計事務所の実績や能力を確認し、契約の相手方を的確に選定できる設計プロポーザル方式を採用いたしました。
 契約金額は、設計委託の内容に基づいて積算した予定価格の範囲内で、契約の相手方と見積もり合わせにより決定してまいります。

〇佐藤委員
 まず、技術提案の一番すぐれた業者を決めて、そして、当該業者が見積額を算出し、都に提示をするわけですね。プロポーザル方式といっても、この業者選定方法は特命随意契約ということになるのではないかと思います。いずれにしても、都が予定価格を定めた上で、その範囲内で契約を結ぶわけです。
 平成二十二年度の予算案には、基本設計の予算が九千万円計上されており、募集要項を見ると、過去に五万平方メートル以上の市場を設計したことのある技術者といった条件づけがなされています。応募者数がどのくらいあったかわかりませんが、この条件により、応募者数が数社しかない場合、適正な競争ができているといえるのでしょうか、疑問です。応募者数等の情報については開札後に公表できると思いますので、速やかに公表いただき、検証できるようお願いいたします。
 基本設計の納入期限が六月三十日までなので、今後、七月以降、実施設計に入っていくわけですが、平成二十三年度東京都中央卸売市場会計においては、建設工事実施設計委託として一千万円が計上されています。ただ、一千万円の計上ではありますが、平成二十四年度以降、債務負担が十二億六千万円という大きな金額にもなります。
 つまり、債務負担行為を含めると十二億七千万円という、金額の大きな実施設計の契約になるわけですが、基本設計を受けた業者に特命随意契約で実施設計が契約されてしまうのではないかという懸念をしております。
 実施設計の業者選定は、随意契約で行うのではなく、再度選定作業を行うべきではないかと考えますが、都の見解をお答えください。
 また、六月の実施設計の業者選定において、どのように競争性、適格性を担保されるのか、あわせてお答えください。

〇砂川施設整備担当部長
 豊洲新市場の実施設計の方でございますが、これは工事を発注するための設計を行うものでございまして、市場業界と協議、調整を経て取りまとめられた基本設計、これを踏まえて行われるものでございます。
 実施設計の設計委託におきましては、当該実施設計の前提となっている基本設計を行っていること、当該実施設計は基本設計と一貫性を持たせる必要があること、当該業者が基本設計を行ったことにより、施設の概要及び敷地の条件などをよく知っており、かつ、その他の必要書類を豊富に持っていることなどの条件に該当する場合は、一般的には特命随意契約を行っているものでございます。豊洲新市場の実施設計においても、これらの条件に該当すると判断される場合には、特命随意契約を予定しております。
 都としては、特命随意契約の条件を踏まえまして、その経験及び実績、技術的な能力などの点から、他の設計事務所と比較して、最も実施設計の契約の相手方としてふさわしいと判断される者と契約を締結するものでございます。
 プロポーザル方式によって基本設計委託業者が選定されることにより、その競争性が担保され、特命随意契約の条件に該当することにより、その適格性が担保されると考えております。

〇佐藤委員
 地方自治法においては、地方自治体の契約締結方式は、一般的に経済性の確保が可能となる競争入札方式が原則となっております。そうした中、特命随意契約で十二億七千万円もの大きな金額の契約を行うことについては、いかがなものかと思います。
 次に、過去、基本設計相当を作成するに当たって、業界団体との合意や調整がどの程度なされていたのか、また、今後、基本設計や実施設計を委託するに当たり、どのようにして業界団体との調整を行うのかについて伺いたいと思います。
 基本設計相当を作成するに当たって、業界団体との合意や調整がどの程度なされたのかについてお答えください。

〇砂川施設整備担当部長
 都は、築地市場の移転を決定した平成十三年十二月以降、業界との協議を踏まえ、豊洲新市場基本構想、基本計画、実施計画を順次策定し、平成十八年の十月には基本設計相当を取りまとめました。
 基本設計相当の策定に当たりまして、都と業界団体は、市場建設の検討機関である協議会、懇談会、検討会を約半年間の間に延べ十五回開催し、各街区の施設やバース、駐車場の具体的な配置や規模を検討し、取りまとめたものでございます。
 なお、基本設計相当の取りまとめ以降も、物流の効率化の観点などから、都と市場関係者との間で、施設内容について継続的に協議、検討を進めてきたところでございます。

〇佐藤委員
 今伺った基本設計相当が出た後、業界団体のうち、例えば東京魚市場卸協同組合では、組合内に設置された市場建設検討特別委員会豊洲新市場建設ワーキンググループを中心に検討された要望書が、昨年末、東京都に提出されたと思います。
 この要望書によれば、仲卸店舗構造については、例えば一店舗事務所が無理なく必要な作業ができる最小単位の面積は、間口三メートル掛ける奥行き六メートルである十八平方メートルが妥当であるとか、店舗内に躯体の柱が入らない構造にしてほしいとか、五項目の要望が出されておりました。
 また、施設計画全般について、例えば七街区、卸売り場に極力売り場スペースを妨げないようなターレスロープを設置してほしいとか、三一五号線高架下連絡通路以外にも、例えば三一五号線の上にターレ走行可の連絡通路を設置してほしいとか、八項目の要望が出てきたわけです。これら十三項目の要望は、すべて反映されているのでしょうか。何ができて、何ができていないのか、お答えください。
 また、今後、基本設計や実施設計を委託するに当たり、どのようにして業界団体との調整を行うのでしょうか、お答えください。

〇砂川施設整備担当部長
 昨年十月の知事発言を受けまして、都は、平成二十六年度中の開場に向け、都と業界団体から成る新市場建設懇談会を開催いたしまして、基本設計、実施設計などのスケジュールをお示ししました。
 都と業界はこれまで、施設規模や街区ごとの建物配置など、施設に関する基本的な事項について合意、確定してきたところではございますが、売り場内の店舗レイアウトや柱の位置など、今後、各業界団体と調整を要する課題につきましては、各業界に検討を依頼し、本年六月に取りまとめる基本設計に反映させるために全力を挙げて取り組んでいくことといたしました。
 そうした中で、東京魚市場卸協同組合からの要望書につきましては、委員からご質問があったとおり、昨年十二月に、計十三項目の提言及び要望が提出されてございます。
 個別の要望内容につきましては、他業界との調整や構造的な検討を要するものもあることから、今後、基本設計の作業を進める中で、適宜業界と調整し、確定してまいります。
 都といたしましては、基本設計や実施設計の各段階において反映させるべき具体的な内容について、業界団体と調整し、取りまとめていく予定でございます。

〇佐藤委員
 業界からの要望が出て、設計変更が生じるたびに、費用がかさむわけです。実施設計の業者を選定する前に、それ以降の設計変更が生じないよう、業界との合意を固めておくことが必要ではないでしょうか、お答えください。

〇砂川施設整備担当部長
 委員ご指摘のとおり、各業界団体から提出されている要望などについては、実施設計での設計変更が生じないよう、各業界団体との調整を綿密に行いまして、基本設計を取りまとめる本年六月までに業界の合意が得られるよう、鋭意努力してまいります。

〇佐藤委員
 設計業務の業者選定と業界団体との調整について伺ってきたわけですが、今回の基本設計業務ともかかわってくる過去の基本設計相当業務についても伺いたいと思います。
 アドバイザリー業務を行っていたのはみずほ総研であり、アドバイザリー企業とその協力企業は、PFI事業の参加資格の制限があり、受注ができないというルールのもとで委託業務を行っていたかと思います。
 そこで伺いますが、都とみずほ総研との契約において、選定方法と契約金額の決定方法を教えてください。
 また、単年度の契約として、平成十六年から平成十九年まで契約を続けていたわけですが、ほかにどのような業務が含まれているのか、また、未履行分の業務があるのかどうかについてお答えください。

〇野口新市場事業計画担当部長
 まず、平成十六年度の豊洲地区における新市場建設事業に関するPFI導入可能性調査委託につきましては、希望制指名競争入札により、みずほ総合研究所株式会社と契約いたしました。
 また、平成十七年度から平成十九年度の豊洲地区における新市場建設事業に関するアドバイザー業務委託につきましては、単年度ごとに同会社と特命随意契約で契約いたしました。
 各契約における委託内容について、導入可能性調査委託におきましてはPFI導入の可否を判断するための調査を行い、アドバイザー業務委託では基本設計相当などの建設計画に係る検討のほか、運営、維持管理に係る検討、事業費の算定、実施方針や業務要求水準書案などの公表資料の作成等を行っております。
 なお、委託しました業務はすべて履行されており、未履行の業務はございません。

〇佐藤委員
 次に伺いますが、豊洲新市場の基本設計相当業務は、都とみずほ総研との豊洲地区における新市場建設事業に関するアドバイザー業務委託の一部として実施しているということであるようですが、設計を委託した業者名と委託金額をお答えください。

〇野口新市場事業計画担当部長
 豊洲地区における新市場建設事業に関するアドバイザー業務委託につきましては、みずほ総合研究所株式会社の協力会社として、株式会社佐藤総合計画及び日本工営株式会社がそれぞれ建築面、土木面での技術的な支援業務を行っております。
 なお、契約の履行は受託者であるみずほ総合研究所株式会社が担うものであり、受託者と協力会社との契約につきまして、都が関与する性格のものではございません。

〇佐藤委員
 なぜ基本設計相当について、通常の入札としなかったのでしょうか、お答えください。

〇野口新市場事業計画担当部長
 PFIにつきましては、これは民間の資金、ノウハウを活用いたしまして、施設の設計、建設、維持管理等を一つの事業として一括して行う手法でございます。
 このため、PFI事業では、発注段階におきまして、建設計画、維持管理計画に加えまして、事業におけるリスクや法務面、財務面の検討を相互に関連するものとして一体的に行う必要がございます。
 したがいまして、基本設計相当部分だけを抜き出しまして、個別に発注することは合理的ではないことから、アドバイザー業務委託の中で行ったものでございます。

〇佐藤委員
 みずほ総研と都が契約したアドバイザリー契約の中に含まれているとのことでありますが、アドバイザリー企業は、PFIの導入可能性、つまり、PFIを行うことが都のメリットになるのかどうかといったバリュー・フォー・マネーの算出等を行うのであり、アドバイザリー企業が設計まで引き受けることについては疑問があります。
 PFIの導入可能性調査の後、事業実施業者を選定し、設計を行うべきだったのではないかと思います。なぜ基本設計相当が、みずほ総研と都が契約したアドバイザリー契約の中に含まれていたのでしょうか。お答えください。

〇野口新市場事業計画担当部長
 卸売市場の計画策定に当たりましては、生鮮食料品流通の中核的役割を担います市場関係業者と十分協議を行うことが不可欠でございます。
 このため、本件PFI事業では、施設面積等の条件だけを示し、すべてPFI事業者の提案にゆだねるのではなく、市場業界の意向を十分反映させるため、アドバイザー業務におきまして、市場業界との合意内容を基本設計相当として図面化し、発注段階で示すことにより、事業を行う上での前提条件としたものでございます。
 したがいまして、PFIの契約締結後、PFI事業者は基本設計相当を前提として設計業務を行うことを想定していたものであり、アドバイザー業務において基本設計そのものを行ったわけではございません。

〇佐藤委員
 今のお答えによれば、アドバイザリー企業が業界との協議に加わって、さまざまな条件をつくって、PFI事業実施業者の公募を行う予定だったということですね。そのため、アドバイザリー契約を受けたみずほ総研だけでなく、PFI事業者も業界と協議をすることになっていたと伺いました。
 引き続き伺いますが、都がみずほ総研を選定するに当たり、基本設計相当を含めた予定価格を算出していたはずだと思います。つまり、基本設計相当の予定価格が算出されていたことと思います。
 一方、みずほ総研は設計会社に委託するわけですから、委託の契約金額があるわけです。予定価格と委託の契約金額との差額、いわゆる契約差金に当たるものが出てくるのではないかと思うわけですが、その差額についてはどこに帰属するのか、都とみずほ総研が協議することになっていたのかどうか、お答えください。

〇野口新市場事業計画担当部長
 都とみずほ総合研究所株式会社が契約しました豊洲地区における新市場建設事業に関するアドバイザー契約につきましては、業務委託の標準契約書により、受託者が仕様書等に従い業務を履行します総価契約により契約したものでございます。
 本標準契約書におきましては、一部業務を再委託することに伴う契約金額に関する規定はございません。

〇佐藤委員
 総価契約とはいえ、なぜ契約書に明記しなかったのでしょうか。どの契約で幾らの差額が発生し、その取り扱い方法がどうであったか、詳細な記録を検証すべきと考えますが、見解を伺います。

〇野口新市場事業計画担当部長
 基本設計相当は、PFI事業を発注するに当たりまして、市場業界の意向を反映するため、市場業界との合意内容を図面として示したものであり、その後、契約しましたPFI事業者が、そのノウハウや創意工夫を生かした提案を行うことにより、良質なサービスを確保することを想定しておりました。
 この基本設計相当の作成を行いましたアドバイザー契約は、PFI事業を適切に実施するための支援業務であり、その契約は、業務委託の標準契約書によります、受託者が仕様書等に従い業務を履行する総価契約によるものであり、適切なものと認識しております。
 また、この契約の成果は、今回発注しております基本設計業務にも十分生かされております。

〇佐藤委員
 今回指摘しました都とみずほ総研との契約では、議会には都とみずほ総研の契約しか出てきません。内部監査や包括外部監査の対象となるのは中央卸売市場の事業運営のみであり、みずほ総研の委託内容については対象外です。みずほ総研と協力企業の監視ができるような契約内容に変えるべきだったのではないかと思います。
 都は、みずほ総研と協力企業との契約については関与する性格のものではないと説明しているわけですが、平成十七年度、十八年度の契約金額の総額は約三億七千万円であるわけです。多くの予算を使っているわけですから、過去の発注についてもさらに十分な説明をするべきと考えます。
 今回、基本設計の業者選定に当たり、品質確保をするためにプロポーザル方式で業者選定するということでありますが、基本設計相当を作成した際には、みずほ総研が業者の選定を行っており、都には成果物が出てきただけと聞いております。
 前回はみずほ総研任せであったのに、今回はプロポーザル方式で設計会社を選ぶわけです。品質にこだわるということであれば、基本設計相当も慎重に業者を選ぶべきだったのではないかと思います。
 また、随意契約で実施設計の業者選定を行うといったことについても、大いに疑問があります。
 さらにいえば、基本設計相当以降、業界団体から出ているさまざまな設計変更の要望も現時点では反映されておらず、また、中央区の要望と豊洲市場の規模や使い勝手等について、まだまだ不確定な要素がある今の段階で次のステップに移るというのは強引なのではないかとの懸念を申し上げ、私の質問といたします。

〇砂川施設整備担当部長
 今までご答弁いたしましたとおり、十八年にまとめた基本設計相当は、PFI事業の発注の条件を示すために、市場業界と調整した合意の内容をそのまま設計図であらわしたものでございます。
 これに対しまして、今回の基本設計は、この十八年の基本設計相当を踏まえまして、例えばエネルギーの有効利用ですとか、維持管理や建設コストの縮減、建物デザインの検討など、まさに設計事務所の提案能力を評価し、契約すべき委託内容となってございます。
 両者の内容は全く異なっていることから、十八年の基本設計相当はアドバイザリー契約に含め委託し、今回の基本設計はプロポーザル方式で委託することについては妥当であると考えております。
 また、実施設計委託については、すぐれた技術力を保有し、基本設計を行った設計事務所と特命随意契約を行うことは、何ら問題はないと考えております。
 さらに、市場業界の要望への対応や調整、協議につきましても、実施設計が速やかに発注できるよう、合意に向けて精力的に取り組んでまいります。決して強引に実施設計を行うということではございません。
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