政 策 >>> 経済港湾委員会・2011/06/27
・新銀行の決算の内容について

〇佐藤委員
 今回の報告事項でもある、新銀行の平成二十三年三月期決算の内容について伺います。
 まず、資料要求について申し上げます。今回、新銀行が出資をしているファンドの内容について資料要求をしたものが出てきませんでした。なぜ以前の予算特別委員会の資料要求の際には出てきたのに、今回は出てこないのでしょうか。四百億円の追加出資をお願いする際には資料は出すが、その後は資料は出さないといった姿勢には疑問を持ちます。なぜ今回、要求資料が出せなかったのか、理由をお答えください。

〇斎藤金融監理部長
 具体的な出資先などファンド投資の内容につきましては、個別案件に当たりますため、新銀行東京は明らかにしておりません。これは、例えば有価証券の個別銘柄を明らかにしないのと同様に、銀行の判断としてはごく妥当なものであると、このように考えております。

〇佐藤委員
 新銀行は明らかにしていないとのお答えではありますが、平成二十三年三月期の決算短信を見ると、組合出資金については三十六億七千二百万円が記載されております。我々都議会民主党は、以前より、組合出資金は元本保証でないことから、大きく毀損する可能性があることも指摘をしてまいりました。組合出資金については、組合出資金及び信託受益証券のうち、組合財産及び構成財産が非上場株式など時価を把握することが極めて困難と認められるもので構成されているものについては、時価開示の対象としておりませんとの記載がありますが、追加出資の四百億円は税金から出資をしたわけですから、どういった組合に幾ら出資をして、どのような運用をしているかを、都が干渉すると同時に、都民に対して説明をする必要があります。
 ファンド投資については、以前より、リスクがあるということを申し上げてまいりましたが、リスク管理がどうなっているのかについて伺います。ファンドの運用については、都は新銀行から四半期ごとに報告を受けているものでしょうか。また、決算にはどう反映をしているのでしょうか。お答えください。

〇斎藤金融監理部長
 ファンド投資におきましては、出資者はファンドから事業報告を受け、投資の状況を定期的にチェックするのが一般的であり、新銀行東京もこのような方法でリスク管理を適切に行っております。ファンドの収益につきましては、決算期ごとに、損益計算書において他の有価証券の損益とあわせて公表しております。
 また、報告を受けているかとのお尋ねでございますが、都は、これまで株主連絡会の回数をふやすなど新銀行東京との連絡を密にし、損益や不良債権の管理状況などについて報告を受けるなど、適時適切な監視に努めてきております。

〇佐藤委員
 ファンドの収益についてはほかの有価証券の損益とあわせて公表している、また、新銀行から株主連絡会等で損益や不良債権の管理方法について報告を受けるなど、適時適切な監視に努めているとのお答えではありますが、組合出資金の出資内容が適切であったかどうか、その検証をするためにも、議会に適切な資料を出すべきではないでしょうか。確かに、決算短信には新銀行の運用方針等について記載がございますが、組合出資金については出資先の組合が運用しており、運用結果についてはリスクがあるわけです。四百億円の追加出資の際、示した再建案では、ファンド投資が大きな割合を占めていたわけですし、我々はそれに対して疑問を持っておりました。先ほども申し上げましたが、四百億円の追加出資をお願いする際には資料は出すが、その後は資料は出さないといった姿勢には疑問を持ちます。銀行業であることを理由として、議会に対しては適切な説明がないということでは、税金の使い方として納得ができません。
 それでは、次の質問に移ります。
 前事業年度と比較をすると、有価証券の保有額が約二千六百億円から約二千億円に減少しております。内訳を見ると、国債は約千三百五十四億円から約六百七十四億円に減少している一方、外国証券等を含むその他の証券が約三百六億円から約三百六十一億円に、約五十五億円もふえております。また、地方債は約二十九億円ふえており、社債は約四億円減少しております。外国証券等を含むその他の証券の保有額がふえた理由とその内容について、どのようなリスクがあるのかも含め、お答えください。

〇斎藤金融監理部長
 その他の証券の内容につきまして、新銀行東京は、決算短信に掲げた区分以上の内訳につきましては、経営戦略上の理由から明らかにしておりません。
 また、その他の証券に限らず、有価証券には、発行体の信用リスク及び金利の変動リスク、市場価格の変動リスクなどがあり、運用に当たっては、これらを勘案しながら適正な収益を上げることを目的としております。
 有価証券の保有額について、ただいまのお話では、国債が減少しているとか、その他の証券がふえている、こういったお話がございましたけれども、新銀行東京の有価証券保有額の変動は経営判断の結果であります。また、関係する損益は決算書に記載されております。銀行経営は、個別の内訳よりも、これら経営判断の結果を総体として見ていくべきではないかと、このように考えます。

〇佐藤委員
 有価証券保有額の変動は経営判断の結果とのお答えではありますが、外国証券とその他の証券について、決算短信の中で貸借対照表計上額が取得原価を超えているかどうかを見てまいりますと、取得原価を超えているものが外国証券で約百三十三億円あり、一億九千万円超えております。一方、取得原価を超えていないものが外国証券とその他の証券で約百八十八億円あり、七億八千九百万円下回ったと記載されております。この外国証券とその他の証券については、利回りは大きいのかもしれませんが、価格変動が大きかったり、為替リスクがあったりするわけです。今回、取得原価を下回っている状況を見ても、外国証券とその他の証券についての運用がうまくいっているのかどうか疑問を持ちます。
 続いて伺いますが、有価証券利息配当金は約二十三億円から約二十六億円に、約三億円ふえております。先ほど申し上げたように、有価証券の保有額が約二千六百億円から約二千億円に減少する一方、配当はふえているわけです。この内容について説明をお願いします。

〇斎藤金融監理部長
 委員お話しの各有価証券の保有額は、これは期末残高でございます。実際の保有額は年間を通じて変動するものでありまして、有価証券利息配当金は一年間の運用成績が反映されたものでございます。二千億円を一年間運用して二十六億円になったわけではございません。
 この運用成績は、有価証券の利回りに着目することの方が適切であろうと考えます。これは、かねて民主党の委員の先生方からも逆ざやの解消というご指摘をいただいておりますが、今回の決算書を見れば、有価証券の利回りは前年度から〇・二二%改善をし、一・一%となっております。
 有価証券の運用に際しましては、新銀行東京は、発行体の信用情報や時価の把握を定期的に行うとともに、価格変動リスクについて日次でモニタリングをするなど、リスク管理を十分に行っております。有価証券利息配当金の増加は、こうした取り組みの結果でございます。

〇佐藤委員
 有価証券利息配当金は一年間の運用成績が反映されたものというお答えではありますが、今も申し上げたように、外国証券とその他の証券等については取得原価を大きく下回っている状況でもありますから、今後、十分な監視が必要だと考えております。
 続きまして、六月中に予定されております株主総会について伺います。
 新銀行の株主総会は、いつ行われて、都はどのような申し入れを行うつもりなのか伺います。また、その株主総会において、セカンドステージについて早く道筋をつけるよう提案すべきと考えますが、見解を伺います。

〇斎藤金融監理部長
 株主総会は六月二十九日に開催されます。株主総会においては、新銀行東京から事業報告等を受けるとともに、取締役の選任等の議決を行うのが通例でございます。都は、これまで株主総会において、経営再建を着実に達成するという観点から、経費の削減やデフォルトの抑制に努めるなど堅実な経営を行うことを要請してまいりました。申し入れた内容につきましては、議会の求めに応じて、これまでも公表してきたところでございます。なお、新銀行東京の今後については、まずは経営陣がその姿を検討するものと考えております。

〇佐藤委員
 引き続き、株主総会について伺いたいと思います。
 以前、私ども民主党が指摘をしました、取締役の自主返納ですが、いまだ履行されていないようですが、新銀行は回収をするのが仕事でしょうから、適切に回収ができなければ、株主の利益を損なっていると指摘されかねない状況だと思います。今回の株主総会において、取締役の自主返納について、都は回収を主張すべきと考えますが、見解を伺います。

〇斎藤金融監理部長
 新銀行東京は、報酬の自主返納につきまして、みずから主体的に決めたことであり、今後も重ねて返納を働きかけていくとしております。都は、こうした取り組みを引き続き見守ってまいります。

〇佐藤委員
 今のお答えでは、報酬の自主返納についてみずから主体的に決めたことというお答えですが、非常にあいまいな扱いということではないでしょうか。見守っていくというお答えで、履行されない、そんな説明を都民や議会が納得するでしょうか。
 次の質問に移ります。
 以前の経済・港湾委員会で、新銀行が劣後債を使った資金調達をしているといった指摘をいたしました。これは、新銀行が、平成十八年十月に劣後債という社債を使って百五十七億円を調達していたものです。これは十年間の社債であり、前半五年間は〇・六八%の利払いですが、後半五年間は二・一八%という高い利払いをしている社債でございました。既に百三十八億円の社債を前倒しして買い入れたようですが、いまだ決算短信にも劣後特約つき社債が十九億円あるとの記載があり、昨年と比べても五億円減少しているわけですが、私が指摘をしたように、後半五年間は金利が高くなり、平成二十四年からは二・一八%もの金利になり、利払いコストが重くなってくるわけです。
 先ほど、有価証券の利回りは一・一%というお答えがあったわけですが、有価証券の利回りよりも高い劣後債の利払いを、まず前倒しして償還することが必要なのではないかと思います。新銀行は、日銀から低利の資金を非常に多く借り入れしているわけでありますから、利払いの高い負担を減らすことができるはずです。劣後債については、いまだ一部償還されていないものが残っているわけですが、これは重いコストであり、前倒しをして償還すべきと考えますが、見解を伺います。

〇斎藤金融監理部長
 劣後債につきましては、これは資本戦略の問題でもありまして、まさに経営陣の判断によるところと考えます。劣後債の期前償還、期日前の償還につきましては、一般的に、その時点での金融環境における債券価格の変動や将来の金利負担などを勘案した上で行われるものでございます。また、劣後債を保有している投資家の動向にも左右されます。新銀行東京についても同様でございまして、劣後債の期前償還は、これらを総合的に勘案して経営陣が判断する問題でございます。

〇佐藤委員
 続きまして伺いますが、前期に比べまして、新銀行では預金残高が三百十四億円減少して、一千七百七十五億円となっております。キャンペーン定期が満期となり預金が減る一方で、今後、新銀行はどのように預金を集めていく方針であるのか伺います。

〇斎藤金融監理部長
 預金を集めていく方針とのお尋ねですが、金融機関は融資や運用の規模を想定し、それに見合う資金調達を行うもので、預金を集める方針が単独で存在するわけではございません。預金については、今後の収支見通しや他の金融機関の金利動向等を勘案した上で、適切な金利水準を設定し、確保していくものでございまして、新銀行東京も事情は同様でございます。

〇佐藤委員
 六月十七日の都政新報のインタビューに対して、新銀行の寺井社長は、普通の銀行は貸出金が大きいが、うちはむしろ運用が貸し出しの二・六倍もあって、いびつな形になっていると答えているように、有価証券運用に頼った経営になっていることを認めているわけです。今後、預金を集めるかどうかは、本業である貸し出しにもかかわることであり、我々も注意深く監視をしていきたいと考えております。
 また、寺井社長は、都政新報のインタビューの中で、これから、震災復興を含め、都のいろんな政策が出てくると思うので、上手に呼応できる商品なり体制なりは組めないか、あるいは商工会議所、中小企業振興公社など外郭団体、産業技術研究センターもあるので、そこがやっている政策と信託のような形でうまい商品を考えて、お役に立てるゾーンがないかと述べておりますが、今回の東日本大震災に対応するために、都は八十二の取扱金融機関と東京信用保証協会と協調して災害緊急を実施したわけです。都が過度に新銀行だけを支援することは公正な競争といえるのか疑問ですし、ほかの金融機関の経営圧迫につながりかねません。有価証券の運用に依存し、都の支援に期待する新銀行の経営姿勢には、存在意義があるのか、疑問を持ちます。
 また、決算では、実質業務純益の状況が前期に比べて改善されているわけですが、先ほど申し上げたように、組合出資金については三十六億七千二百万円が運用されており、結果次第では大きな損失となる可能性もあります。先ほど申し上げたように、以前出ていた資料も出てこないわけです。十分な説明が出てこないということでは、税金を使って行う事業として適切であるのかどうか、疑問を持っております。
 決算短信によれば、貸出金のうち、破綻先債権額は二十億九千三百万円、延滞債権額は百十一億六千六百万円と記載されております。また、貸出条件緩和債権額は一億九千百万円です。これらを合計すると、百三十四億五千百万円になるわけです。与信残高に占める割合が大きいわけでありますから、今後も注意深く経営監視をすることが必要といえます。
 新銀行が黒字化したわけでありますが、黒字化したことと、一千億円以上の過去の大きな損失の実態解明をすることとは話が別であり、引き続き真相解明をすることが必要であると申し上げておくと同時に、都も議会に対して十分な説明をするよう要望しておきます。
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