政 策 >>> 経済港湾委員会・2011/12/12
・政府向け貸し出し、ファンドの運用について

〇佐藤委員
 報告事項である新銀行について伺います。
 まず、政府向けの貸し出しについて確認をいたします。
 平成二十四年三月期中間決算説明資料のリスク管理債権の状況を見ると、貸出金残高が一千四百六億七千八百万円であり、政府向け貸出金を除くの金額は一千六十三億七千六百万円です。となると、政府向けの貸し出しは、貸出金残高から政府向け貸出金を除くを引いた三百四十三億二百万円となるわけでしょうか。お答えください。

〇斎藤金融監理部長
 政府向け貸し出しは、決算書に記載のとおり、貸出金残高から政府向け貸出金を除くを引いた額でございます。

〇佐藤委員
 では、政府向けの貸し出しの推移を見ますと、平成二十二年九月末は約二百九十九億円、平成二十三年三月末は約三百六十五億円、そして、平成二十三年九月末は約三百四十三億円です。これだけ多くの金額を政府向けの貸し出しに充てている理由はなぜでしょうか。お答えください。

〇斎藤金融監理部長
 政府は、税収のほかに、国債の発行や金融機関からの借り入れなどにより財源の不足分を補っております。
 日銀の統計によれば、十月末現在、国内銀行全体では、中央政府向けに約十一兆六千億円の貸し出しを行っており、このように、政府向け貸し出しは広く行われているものでございます。
 新銀行東京は、安定的な収益確保を図るという経営判断に基づいて、政府向け貸し出しを行っていると聞いております。

〇佐藤委員
 安定的な収益確保を図るという経営判断によって政府向け貸し出しを行ってきたとのお答えでありますが、平成二十二年三月期中間決算説明資料のリスク管理債権の状況の中に記載がある、政府向けの貸し出しについて、さかのぼって見てまいりますと、平成二十年九月期には約七百六十一億円、平成二十一年三月期には約七百六十億円、そして、平成二十一年九月期には約二百七十四億円となるわけです。このように、再建計画の期間中、多くの資金が政府向けの貸し出しに振り向けられてきたわけです。
 平成二十年二月に四百億円の追加出資を議決した際、新銀行東京再建計画では、基本方針として、これまで蓄積した営業ノウハウや反省点を踏まえ、事業を重点化し、中小事業者支援を強力に推進と記載をしていたはずです。それが、四百億円の追加出資後の平成二十年九月期には、政府向けに七百六十一億円を融資しており、その後も三百億円前後の貸し出しが続いていたわけです。これでは、何のための四百億円の追加出資だったのでしょうか。
 次に伺いますが、政府向けの貸し出しについては、利率は何%で、どれくらいの期間の貸し出しが多いものでしょうか。

〇斎藤金融監理部長
 貸し出しの利率や期間等、取引における個別の内容につきましては、他の金融機関と同様、新銀行東京は明らかにしておりません。

〇佐藤委員
 政府向けの貸し出しは、リスクはないにしても、どれくらいの利率であるかも答えられないということには納得ができません。先ほどの答弁では、安定的な収益確保を図るという経営判断によって政府向け貸し出しを行ってきたというお答えであったように、利益を得ることを優先して、政府向け貸し出しに多くの資金を振り向けてきたわけです。
 では伺いますが、平成二十三年九月末時点で、中小企業向け与信残高は七百七十四億円であるわけですが、今申し上げたように、政府向けの貸し出しには約三百四十三億円融資をしているわけです。ということは、中小企業への貸し出し余力が大いにあるのではないかと思うわけですが、融資を受けたい企業が来ないから中小企業融資がふえないのか、それとも、中小企業向け融資を新銀行の判断でふやそうとしていないのか、どちらなのでしょうか。お答えください。

〇斎藤金融監理部長
 新銀行東京の平成二十三年九月末現在の中小企業向け貸出金残高は六百九十二億円でございますが、昨年同期と比較しますと約七十億円増加しておりまして、中小企業向け融資は着実にふえております。

〇佐藤委員
 昨年同期と比較をいたしますと増加しているのでしょうが、わざわざ日銀から多くの資金を借りている割には、中小企業融資に使っている資金の割合が少ないのではないかと思うわけです。資金が余っているからこそ、有価証券運用や政府向け貸し出しに資金を振り向けているわけです。
 日銀からは〇・一%の金利で一千百六十七億円を借り、政府には高い金利で約三百四十三億円融資をしているわけです。これだけでも大きな差益が出てくるわけです。さらに、企業に融資をしない資金は債券運用する。多少収益が出てきた状況でも、政府向けの貸し出しや債券運用の金額を減らさない理由はなぜでしょうか。お答えください。

〇斎藤金融監理部長
 一般的に、金融機関が運用資産をどう配分するかは、その時々の経済状況やリスクとリターンを総合的に判断して決定するものであり、新銀行東京においても同様でございます。
 なお、日銀の低利貸付は、現在の我が国の金融政策の必要上行っているものでございます。

〇佐藤委員
 運用資産をどう配分するかは、その時々の経済状況やリスクとリターンを総合的に判断して決定とのお答えでありますが、これだけ景気が厳しい中でも、日銀から一千百六十七億円借りており、一方で、政府に三百四十三億円貸すという経営が続いているわけです。
 次に、有価証券の運用について伺いますが、決算短信の有価証券関係を見ると、外国証券の中間貸借対照表計上額は三百三十一億七千五百万円であり、取得原価との差額は四億三千万円の損失が出ているということがわかります。
 平成二十三年九月三十日時点で、これだけ損失が出ており、その後、ギリシャやユーロ危機が深刻化したことを考えると、今後の第三・四半期決算では、外国証券の損失がさらに出てくる可能性があるのではないでしょうか。
 外国証券については、リスクがあることを踏まえて慎重な運用を心がけた方がよいのではないかと思うわけですが、見解を伺います。

〇斎藤金融監理部長
 一般的に、有価証券のリスクといたしましては、発行体の信用リスク、金利の変動リスク及び市場価格の変動リスクなどがございます。
 当然のことながら、新銀行東京は、従来からこうしたリスク判断に基づき、外国証券を含む保有銘柄の個別のモニタリングを継続的に行い、有価証券総体として安定的収益の確保に努めているところでございます。

〇佐藤委員
 都としても、ぜひ慎重な運用を心がけるよう、新銀行に対して運用の指導をしていただきたいと思います。
 次に、劣後債について伺います。
 平成二十四年三月期、第二・四半期決算短信の金融商品の時価等に関する事項を見ると、負債に計上されている劣後債は、中間貸借対照表計上額では十九億円ですが、時価は十七億二千四百万円であり、差額が一億七千五百万円出ております。
 劣後債については、平成二十四年から支払う利払いがふえることを以前から指摘してきたわけです。劣後債については、前半五年間は〇・六八%の利払いですが、後半五年間は二・一八%という高い利払いになっている社債であったと指摘をしてきたわけです。時価が大きく下がっている理由について、お答えください。

〇斎藤金融監理部長
 劣後債につきましては、新銀行東京の判断で十一月に償還が終了したと聞いております。

〇佐藤委員
 劣後債については、高い利払いになる前に償還すべきと何度か議会で取り上げてまいりましたので、償還が終了したと聞いて安心をいたしました。
 また、再建計画ではファンド投資の割合が多かったわけですが、我々は再三、ファンド投資のリスクについて、議会で取り上げてまいりました。新しい経営計画においては、ファンド投資の割合を抑えるよう指導すべきではないでしょうか。見解を伺います。

〇斎藤金融監理部長
 ファンド投資は、金融機関で通常行われているものでございます。どのファンドにどれだけ投資をするかは、リスクとリターンのバランスを総合的に勘案した上での経営判断であると考えます。

〇佐藤委員
 ファンド投資が金融機関で通常行われていることは十分に承知をしております。ただ、税金から四百億円を追加出資された再建中の銀行が、リスクがあり、その結果が議会に出てこないファンド投資に多額の資金を投じることが妥当かどうかを指摘してきたわけです。今後の経営計画の中でも、ファンド投資については十分な情報開示がなされるべきですし、リスクを踏まえて慎重になるべきではないかと考えます。
 新銀行の再建計画は来年三月末までであり、来年の一定の予算特別委員会や経済・港湾委員会で、今後の経営計画について十分な議論も必要です。議論に間に合うように、早い時期に経営計画を議会に提出してもらうことが必要と考えます。
 決算短信では、平成二十四年三月期の業績予想も記載をされております。今期の経営見通しも出ているわけですから、少なくとも議会前には経営計画を出すよう、都から新銀行に指導するべきではないでしょうか。見解を伺います。

〇斎藤金融監理部長
 新銀行東京の来年度以降の経営につきましては、当然のことながら、同行経営陣がそのあり方を検討しております。その内容がまとまり次第、都は株主として、新銀行東京から報告を受けることとなります。
 都としては、現在の経済状況下において、慎重に検討を行うよう求めているところでございます。

〇佐藤委員
 都として慎重に検討を行うよう求めているとのお答えでありますが、ぜひ指摘してまいりました資金計画やファンドの位置づけ等についても明記し、適切な説明を盛り込むよう、新銀行に指導していただきたいと思います。
 今後、経営計画が出てくるわけでありますが、新銀行が黒字の経営になったというのであれば、以前も議会で指摘させていただきましたように、追加出資した四百億円も含めて、都も回収の努力をするべきではないでしょうか。
 以前申し上げたように、現在、都の出資分は株式として保有をされておりますが、未公開株式でありますので譲渡制限等がついており、株式市場での売却は難しい状況です。今後、株式公開をしようにも、現実的には難しいわけですから、回収をするには事業譲渡や事業提携といった道筋が選択肢になろうかと思います。回収した税金をほかの用途に使えるという意義もありますので、ぜひこれは検討いただきたいと考えております。
 これまで、提携先等について、石原知事がさまざまな発言をしていたわけでありますが、新銀行と他企業との事業統合がなされた場合、他企業に直接株式を購入してもらうといった可能性もあるわけですし、また、都が保有する未公開の新銀行株式を統合先企業の公開株式と交換すれば、公開株を売却することで、都の出資分を回収することも可能になるのではないでしょうか。
 都が出資してきた資金を回収することを念頭に、事業譲渡や事業提携を模索するべきではないかと申し上げておきます。
 今後、経営計画が出てくる中、新銀行の経営については、引き続き十分な監視が必要であることを申し上げて、私の質疑を終わります。
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